348部分:白銀の月その十三
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白銀の月その十三
「男の人は逞しくなくちゃって」
「もう柔道家とか大好きだったし」
「パパもね、お兄ちゃんもね」
咲の口から出た言葉だ。
「そうだからよ。特にパパが九州生まれだし」
「九州か。それでかよ」
「そうだったんだね」
男組はこれでまた一つのことがわかったのだった。
「それで男臭いのが趣味かよ」
「それでか」
「家の中じゃ今でも時々九州の言葉出たりするわよ」
それもだというのだ。
「当然ラーメンも豚骨だしね」
「けれどトリガラも食べるよな」
「それでもメインはそれかよ」
「そうよ、やっぱりラーメンは豚骨よ」
咲は今度はにこりと笑って述べていた。
「それが一番よ」
「まあ豚骨ラーメンは確かに人気があるわ」
明日夢がここで言ってきた。
「スタープラチナでも売り上げいいしね」
「そういえば北乃の男の趣味もな」
「結構あれよね」
「なあ」
今度は明日夢の話になるのだった。
「好きな人は佐々木だったか?大魔神の」
「それとあれだよな、ハマ番長」
明日夢の男の好みもまた彼等によく知られていた。それもかなり。
「どっちにしろ男らしいよな」
「リーゼント好きなのかよ」
「リーゼントは男の浪漫よ」
何故か漢字でこんなことを言い出す明日夢だった。
「もうね。髪の色は言わないけれどばしっとリーゼントでね」
「ちょっと古いわよね」
「そう思うでしょ」
奈々瀬と茜が顔を見合わせて話をする。
「リーゼントってね」
「昔からなのよね、明日夢の好みも」
「そうよね。やっぱり今はね」
「もう茶髪とかだけれど。さっぱりと」
「髪染めるのはいいのよ」
しかも二人のそんな話もしっかりと聞いている明日夢だった。異性のヘアースタイルの趣味はともかく耳はかなりいいようである。
その耳で聞いてから。彼女は言うのだった。
「金髪でも何でもね」
「金髪より茶髪じゃないの?今は」
「そうよね」
また言う奈々瀬と茜だった。やはりその趣味の古さが出ている明日夢だった。
「まあそれはいいとしてよ」
「染めるのはいいのね」
「そう、特に紫」
皆紫と聞いてまず絶句した。
「紫ってまさか」
「あの漫画だよな」
「そうみたいね
絶句の後でひそひそと危惧する顔で話す。そして答えはやはり。
「しかもスーパーリーゼントよ。パーマをリーゼントにしてね」
「滅茶苦茶髪傷みそうだね」
「後で絶対禿げるぞ、おい」
竹山と野本が突っ込みを入れたのはそちらだった。
「っていうかやっぱりその漫画だったんだ」
「しかもそこでもリーゼントかよ」
「だから。リーゼントは男のこだわりよ」
自分のこだわりとは考えていない明日夢だった。
「プレスリーやディーンにしたって」
「だか
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