第十二幕その十
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「ではね」
「今からですね」
「飲んで食べて」
「そうしてですね」
「皆で楽しむんですね」
「そうするんですね」
「そうしてね」
こう言ったのでした、そしてエムおばさんも言います。
「遠慮はしないでね」
「はい、それじゃあ」
「宜しくお願いします」
「食べさせてもらいます」
「そして飲ませてもらいます」
「それも沢山」
「栓は私達が空けるから」
見ればエムおばさんはすぐに一本のコルクを抜いています。
「どんどん飲んでね」
「私も空けられるから」
言いつつ早速コルクを抜くドロシーでした。
「飲みたいなら言ってね」
「ええ、お願いするわ」
是非にと応えたのはポリクロームでした。
「それじゃあね」
「任せてね」
「ドロシー王女はコルクも抜けるんだね」
大尉はこのことにしみじみとして言いました。
「そうなんだね」
「そうなの、こうしたこともね」
「出来るんだね」
「子供の頃はね」
それこそというのです。
「いつもしていたから」
「カンサスにいた時は」
「そうしていたから」
だからだというのです。
「今も出来るの」
「そうなんだね」
「私は今はオズの国の王女だけれど」
それでもというのです。
「元々はカンサスの農家の娘だからね」
「わし等だってそうだよ」
「カンサスの農家よ」
おじさんとおばさんも大尉に言います。
「元々はね」
「ずっとあそこに暮らしていたんだよ」
「その中で育ったから」
それでというのです。
「家事も出来るしね」
「コルクを抜くこともだね」
「出来るのよ」
もう普通に何でもないといった仕草でコルクを抜きつつです、ドロシ―は大尉にお話するのでした。
「こうしてね」
「子供の頃からやってきたからなんだ」
「オズの国に来て長く経つけれど」
「今もだね」
「出来るのよ」
「そうなんだね、じゃあ」
「ええ、飲んで食べましょう」
とりあえず人数分のワインのコルクを抜いてでした、そのうえで。
皆は乾杯をして飲んで食べはじめました、そしてでした。
五人はノンアルコールの赤ワインを飲んでそれぞれ言いました。
「あれっ、甘いね」
「適度に渋みもあるね」
「飲みやすいね」
「葡萄ジュースとまた違う味だけれど」
「美味しいわ」
「うちのワインは甘いんだ」
ヘンリーおじさんがまたお話します。
「だから飲みやすいんだ」
「白ワインも甘いのよ」
エムおばさんはこちらのワインのお話をします。
「うちのワインはね」
「どうして葡萄は赤いのに白ワインも出来るんですか?」
神宝はこのことについて疑問に思いました。
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