第五章
[8]前話
「わしは後で行く」
「何故ですか?」
「あんたに助けてもらった、それならな」
「そのことからですか」
「あんたに負けた、だからあんたが先に行ってからな」
そのうえでというのだ。
「わしは行く、救護班の人が来たら事情を話してだ」
「それからですか」
「行く」
「ですがそうすれば」
「わしは負けるがわしはスポーツマンだ」
プロのというのだ。
「そうする、だからな」
「先にですか」
「行くといい、そしてこのことについては有り難う」
礼も言ってだ、そのうえでだった。
老トレジャーハンターは実際に今は動かなかった、そしてだった。
ルイスは先に行きデリーロは追い付いた、二人はそのままだった。
最上階にあるゴールに着いた、二人同時だったが検証するとルイスが僅差で先にゴールしていたので彼が優勝となった。
彼は優勝してから老トレジャーハンターのところに行くと彼はそのルイスに明るく笑って言った。
「今度はわしが優勝するからな」
「左様ですか」
「今日は楽しかったな」
にかっと笑って言った、これで全ては終わった。
レースを終えたルイスは賞金を受け取ってからシカゴを後にした、二人はこの時まで素性を隠していた。
そのうえでシカゴを出るその時にだった。
ルイスの手に何かが宿った、彼はそれを見つつ隣にいるデリーロに話した。
「これはドーランド医学事典です」
「医学書ね」
「はい」
心の中に言ってくる言葉をそのままデリーロに話す。
「これがです」
「あんたの新しい神具ね」
「知力を上げてくれて様々な医学の知識を授けてくれる」
「そうした神具ね」
「有り難い神具です、そして」
ルイスは自分に語ってくることばをさらに話した。
「私自身強くなりました」
「そうなったのね」
「神託を乗り越えて」
このことも心の中の言葉が言ってきていた。
「全体的に一回り」
「そうなったのね」
「はい、ではこの三つ目の神具と強くなった力で」
「その二つも使ってね」
「次の場所に行きましょう」
こう言ってだった、そのうえで。
ルイスは実際に次に行く場所に一歩踏み出した、それはただ次の場所に行くのではなく世界を救う為だった。彼はそのことも考えつつ一歩を踏み出したのだった。目もそこにあった。
迷宮の中での競争 完
2019・5・24
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ