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迷宮の中での競争
第二章

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「それではです」
「モンスター相手の戦いはね」
「不向きですが」
「それでもよね」
「私達は術が使えます」
「それで戦っていけばいいわね」
「はい、ですから」
 術で戦うからとだ、ルイスはピザの後は甘いワインを飲みつつ言った。
「ここはです」
「モンスターのこともね」
「調べてです」
「どのモンスターにどの術がいいのか」
「そこを見極めていきましょう」
 こう言ってだった、ルイスは開催日までデリーロと共にピラミッドのマップや出現するモンスターのことを調べた、それも隅から隅まで。
 そしてだった、開催日のスタート時間前にだった。
 二人でスタートラインに来たがそこで一人のホブゴブリンの老人を見た、ルイスはデリーロにその老人について話した。
「ドゥ―ル=イヨマンテさんも参加されますか」
「有名な人?」
「シカゴを中心に活躍している有名なトレジャーハンターです」
「トレジャーハンターなの」
「そうです、迷宮探索と踏破の専門家で」
「有名ということは」
「シカゴでは伝説的な方で」
 トレジャーハンターの分野でというのだ。
「進むのも速く罠にも敏感で戦闘も強い」
「そうした人なのね」
「強敵ですね、これは」
「ははは、幾つになってもダンジョンはいいのう」
 その老トレジャーハンターも明るく言っていた。
「参加することに意義があるが」
「参加されるならですね」
「優勝じゃ」
 彼は取材をする新聞記者に笑顔で語っていた。
「今回もな」
「正々堂々ですね」
「うむ、迷宮踏破もな」
「スポーツマンシップを守って」
「正しくやる、そしてじゃ」
「今回はですね」
「優勝じゃ」
 こう言っていた、ルイスはその彼を見つつデリーロに語った。
「あの人は冒険者ですが」
「スポーツマンシップを大事にしているのね」
「冒険はプロが行うスポーツとです」
「考えているのね」
「はい、命懸けの」
「そうした人で」
「今も現役ですがお若い時から」
 つまり彼が駆け出しの冒険者だった時からというのだ。
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