第二章
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彼は二人にコーヒーを出してから苦い顔で話した。
「いや、俺も最初見た時にな」
「驚いたわよね」
「朝起きて部屋に入って来る娘のミニーがだよ」
保安官はデリーロに娘のことをさらに話した。
「二人だったんだからな」
「朝ご飯を食べようとしたら」
「ああ、二人横並びでな」
「お部屋に入って来て」
「そりゃ驚いたぜ」
「そうよね、それで最初思ったわね」
デリーロはブリキのカップのコーヒーを飲みつつ保安官に応えた。
「娘さんのドッペルゲンガーかって」
「今も思ってるさ」
保安官は深刻な顔で言った、コバルトブルーの髪の毛と水色の水の精霊の外見は彫が深く男らしく整っているが今は曇った表情がそれを損ねている。
「それでな」
「ドッペルゲンガーが出るとね」
「あれだよな、死ぬのが早いってな」
「言われてるわね」
「だからな」
それでというのだ。
「俺も女房もな」
「娘さんが死ぬと思って」
「かなり怯えてるさ」
「そうよね、けれどね」
「けれど?」
「まずは娘さんに会わせてくれるかしら」
こう言うのだった。
「そのね」
「ああ、頼むな」
保安官はデリーロにすぐに答えた。
「そう申し出るつもりだったんだよ」
「そうよね、やっぱり」
「娘は今はどっちも家にいるさ」
「今は学校に通う時間ですが」
ルイスはこのことを指摘した、十星連合では中学校卒業までの義務教育を導入し徹底的に施行しているのだ。
「学校には」
「いつも二人一緒だろ」
このことからだ、保安官はルイスに答えた。
「だからな」
「それで、ですか」
「ああ、学校で気味悪がられると思ってな」
それでというのだ。
「学校にはな」
「今はですか」
「どっちも通わせてないさ」
「左様ですか」
「ああ、それでな」
「娘さんはお家におられますか」
「どっちもな、ただ俺も女房もな」
つまり娘の両親もというのだ。
「どっちがどっちかな」
「わからないのですね」
「どっちが本物かな、声も喋り方も癖も行動も全部一緒だからな」
「それじゃあ親御さんでもわからないわね」
デリーロもそれならと頷いた。
「やっぱり」
「ああ、それであんた達にもな」
「今からっていうのね」
「会ってもらうな」
「そうさせてもらうわね」
デリーロは保安官に答えた、そして彼が仕事仲間に交番を任せてから彼とルイスを自宅に連れて行った。そうして。
保安官の家、交番からすぐそこにある結構いい造りの家に入るとそこに水の精霊の西部劇の娘の服を着た十歳位の少女がだった。
二人いた、見れば何もかもが同じだ。それでデリーロも言った。
「これはね」
「ああ、あんたも思うだろ」
「二人共ね」
「どっちも俺の娘にしかな」
「思えな
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