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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第143話:Metal Valley
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クスとエイリアは壁に追いやられ、退路を失う。
「どうだ!これが俺達、新世代型レプリロイドの真の力だ!!進化した俺達の力が世界を変えていくのさ!!お前達ポンコツが生きる世界なんてないのさ!!」
「進化…?」
トリロビッチのその言葉によって彼女の胸に初めて怒りの感情が沸き起こった。
「あなたのそんな力が進化だというの!?ふざけないで!!」
地面を踏み締める足に力を込めると一気に跳躍し、水晶壁を壁蹴りで飛び越える。
それを見たエックスも続くように力強く跳躍し、同じように水晶壁を飛び越えた。
「そんなものは進化じゃない!!お前は力に溺れた。ただのイレギュラーだ!!」
トリロビッチの懐に飛び込んだ2人は零距離でのダブルアタックを繰り出した。
2人のバスターは呼応するように輝き、銃口から放たれたチャージショットはトリロビッチのボディを容易く破壊した。
「お前の負けだトリロビッチ。己の性能を過信しすぎたようだな」
「馬鹿な…お前ら如きに、やられるなんて…」
「“ポンコツ”にだって意地があるってことよ」
張り詰めた空気に一石投じるように、息切れした掠れ声がエイリアの口から零れた。
出現していた水晶壁がパリンと割れて散らばり、ガラスのように透き通った水晶壁の破片は、やがてゆっくりと消滅していく。
技の使い手であるトリロビッチが機能停止寸前である証だ。
「ポンコツが、身の程知らず…だなあ……」
言葉は侮蔑と嘲笑に満ちており、死ぬ間際でさえトリロビッチは態度を変えない。
その図太さは呆れや怒りを通り越して感心すら覚える。
「お前達、旧世代の世界はもう終わりさ…どんなに足掻いたって…あんた達は、古い世界と一緒にお陀仏だね…」
そう言ってトリロビッチは事切れた。
歪んだ瞳が瞳孔を開き、金属の手足がだらりと投げ出された。
「そんなことは…させないわ…」
届くはずのない言葉を、エイリアははっきりとトリロビッチに告げるのであった。
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