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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第143話:Metal Valley
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が進歩しようと、人は土を離れては生きられない。それはレプリロイドも変わらない。エネルゲン水晶もマイヤールビーも自然の恵みだからね」

連綿と受け継がれていく自然の力をエイリアは畏怖せずにはいられない。

「地球の恵みで俺達は今まで生きてきた。それなのに地球から月への移住計画に関しては少し思うところがあるな…」

「エックスはヤコブ計画には反対なの?」

「全面的に反対なわけじゃないんだ。でもやっぱり、生まれた星だし…ずっと守ろうと戦ってきたんだ…簡単には切り捨てられないよ…君は?」

「そう…ね…元科学者としては宇宙に興味はあるけど…でもやっぱり私も地球が好きだわ…この星には沢山の思い出がある…幸せなことも辛いことも…」

ルインと出会って、臨時オペレーターから本格的にハンターベースのオペレーターとなって、間抜けな経緯ではあるけれどエックスと結ばれて…妻となって…今まで過ごしてきた日々は大変なことばかりだったが、全てエイリアにとって今の自分を形成する大切な思い出である。

「そう…か…」

エックスは笑みを浮かべた後に表情を引き締めた。

2人は敵が潜んでいる戦場への扉を開いて中に入ると蟲を模したレプリロイドがいる。

土色のアーマーに身を包んだ“三葉虫”型レプリロイドで長い触角と丸みを持った矮躯は、蟲の中でも特に悪感情をもたらす害虫に似ており、エイリアは恐怖よりも嫌悪感を抱く。

蟲は性格の歪みを見事に反映させた瞳をエックスとエイリアに向け、不快な声色で言った。

「あぁー?何だ何だ?イレギュラーハンターが誇る最強のハンターの1人のエックスの相方は女か〜?イレギュラーハンターも人材不足だな〜!!」

「エイリア」

「分かってるわ、心配しないで…この程度の挑発なんて乗らないわ」

相手が女というだけで見下す器の小さい男だ。

この程度の挑発には乗らない。

ルインならばこの程度の挑発など軽く受け流すだろうから。

「アースロック・トリロビッチ。希少な資源をどうするつもりだ?」

「はんっ…能無しのイレギュラーハンターに言っても分からないだろう。どうせ、旧世代のポンコツはここで埋もれちゃうんだしね!!」

言い終わるのと同時に地面から黄色い水晶壁が出現し、エックスとエイリアは倒れる水晶壁を間一髪でかわすと、トリロビッチに向けて言い放つ。

「新世代とかそんなのはどうでもいいわ。私はあなたを止めてみせる!!」

「ヤコブ計画に必要な宇宙開発資源を何に使うつもりかは知らないが、俺はお前を止める!!」

エックスとエイリアのバスターから放たれるショットはトリロビッチのアーマーに容易く防がれた。

「生意気な〜旧世代のポンコツの癖に、言うことだけは一丁前だよな!!」


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