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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第143話:Metal Valley
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いが、自分が砂埃に呑まれ、遠い世界に行ってしまうような錯覚を覚えた。
エイリアは敵から逃れながら唇を噛む。
「(エックス…ルイン…あなた達はいつもこんな不安の中で戦っていたの……?)」
隣で共に駆け抜けるエックスを見遣り、この場にはいないルインを思って胸中で呟く。
特A級ハンターのエックスとルインも常に自信に溢れて戦場に向かうわけではない。
エックスは寧ろ“戦いたくない”と躊躇う心を抑えながら出撃していた。
最初のシグマの反乱からずっと間近で見ていたから分かるのだ。
エックスの戦いを憎む気持ちと恐れを。
ハンターは死と隣り合わせという事実を今更ながらに感じ取る。
それはモニターで見るよりも遥かに違い、鮮血を直に浴びるに似た強烈な恐怖だった。
「エイリア」
隣を走るエックスからの力強い声にエイリアはハッとなる。
「エックス…?」
「気をしっかり持つんだ。戦場の空気に呑まれてはいけない。大丈夫だ、必ず反撃のチャンスは来る。パレットも頑張っているんだから…信じよう、君の後輩の力を」
「ええ、そうね…」
深呼吸して己に気合いを入れ直す。
今の自分は今エックスと同じ立場にある。
恐怖を全身で感じながらも、信念のために、守るために戦うエックスに。
硝煙に満ちた空気を吸い、隣でバスターを構えるエックスと同じ立場。
「エックス!!」
「喰らえ!!」
目の前に立ちはだかるメカニロイドをエイリアがチャージショットでクラッキングし、エックスがとどめとばかりにチャージショットで破壊する。
その時である、パレットからエイリアとエックスに通信が繋げられたのは。
『エイリア先輩!!エックスさん!!』
エックス達全員のナビゲートを担っているためか、少し疲れている様子のパレットから通信が入る。
無理もない、ゼロのチームとアクセルのチームのナビも並行してやっているのだ。
それを1人で捌かなくてはならない疲労は並みではないだろう。
『イエロー・ブロンテスは頭部が弱点です。近くにあるクレーンを利用してイエロー・ブロンテスの頭部をボコボコにして下さい!!』
パレットの通信が終わった頃にはエックスとエイリアは行き止まりに突き当たり、周囲を見渡すと確かに土壁の上にはクレーンがある。
金属の塊であるアームは、ブロンテスの頭部を砕けるだけの強度を誇っていた。
「あれか、エイリア。俺が奴を引き付けるから…君はクレーンの操作を頼む」
「分かったわ!!」
エックスが引き付けているうちにエイリアは壁を駆け上がり、クレーンを作動させる。
反対を向いていたアームが勢いよく振られ、ブロンテスの頭部を殴りつけた。
「やった
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