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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
ロックマンX8
第140話:Luna Right
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クセルとルナの言葉から確実に倒されたはずだ。
何体ものシグマが、炎を背に不気味に揺らめいてその倍の数の目がギラギラと輝く。
立ち尽くしてしまうエックスの正面で、不意に目の前のシグマ達が動いた。
シグマ達の中心にいたのは、シグマではない小柄な少年型のレプリロイドの影。
「(何者だ…?)」
現れたその姿に判断力を取り戻したエックスは、切り換えたままだったバスターを構えようと左手を引く。
瞬間、語りかけてきた涼やかな声は、エックスの動きを止めるのには充分だった。
「事故から身を守るために……」
声に違わず、紫の髪のレプリロイドが上げたその顔は美麗と言わずにいられないもの。
顔と共に上げられた瞳。
それは優雅な動作の流れのまま、金色の瞳がエックスを見据える。
「頑丈なシグマボディをコピーしていたのです」
静かでありながら天を貫くような声は、神秘ささえ漂わせ、薄い笑みを携えて、紫の髪のレプリロイドは言葉を続けた。
「私達、新世代型レプリロイドには完全な耐ウイルス性能がありますから……」
声に導かれるように、エックスと向かい合うように並んだシグマ達が光を放った。
思わず身構えるエックスの目の前で瞬時に縮む身体を見て、元に戻ったのだと理解するまでに時間はかからなかった。
「シグマボディをコピーしても、何の問題もありません」
新世代型レプリロイドが持つコピー能力。
自分と同程度の大きさのレプリロイドでなければ長時間の姿のコピーは出来ないアクセルとは違い、ルナのコピー能力よりも完成度が高い完成したコピー能力を目の当たりにするのは初めてだった。
エックスはバスターを解除し、構えと警戒を解いて白と紫を基調とした出で立ちのレプリロイドに、殆ど無意識で問いかけていた。
「君は……?」
薄い笑みを絶やすことのない唇が、ゆっくりと開く。
「私は、ルミネ」
金色の瞳が、真っ直ぐにエックスを見つめた。
「この軌道エレベーター・ヤコブの管理者です」
新世代型レプリロイド達を付き従わせ、 揺らめく炎とそびえ立つエレベーターを背に堂々たる態度で立つヤコブ管理官・ルミネに、エックスはしばらく言葉が出なかった。
半ば呆然としているエックスが喋るのを待っているのか、ルミネもなにも言わない。
『イレギュラーハンター、応答してください』
突如聞こえた声に、エックスは慌てて通信機を翳して指示を出す。
「……すみません。コンテナの中にいたレプリロイドの無事を確認しました。救助用メカニロイドは必要ありません。壊れたコンテナの処理のために作業用メカニロイドの手配を」
『了解しました。今後、通信の途中で切るようなことがないようにお願いします
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