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レーヴァティン
第百四話 半島統一その八

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「それでな、それでどうしようもない奴はな」
「先程お話した」
「悪質な輩ですね」
「そうなんだよ、人間的に屑だとな」
 それこそとだ、久志は話した。
「もう能力やそれぞれの向き不向きじゃなくてな」
「悪事を為す」
「だからですか」
「どうしようもない、そんな奴はな」
 それこそというのだ。
「最初から用いないに限るさ」
「そうですか」
「そうお考えですか」
「ああ、それでな」
 さらに言うのだった。
「あんた達は違うからな」
「だからですか」
「この度は」
「あんた達を用いようって思うんだよ、それで返事は」
「はい、それは」
「どうかと」
「出来たら今ここで聞かせてくれるか?」
 こう彼に言うのだった。
「そうしてくれるか?」
「そうですか、では」
「今から」
「ああ、返事はどうなんだい?」
 久志は己の座、玉座に見えるがそうではない護民官の座から王そして王弟に対して返答を確かな声で問うた。
「一体」
「是非」
 二人は久志に同時に答えた。
「そうさせて頂きます」
「我等二人」
「そしてこれよりです」
「貴方のこの世界を救う務めに加えて頂きます」
「じゃあ頼むな、ただな」
 ここでだ、久志は腕を組んでこうも言った。
「あんた達は王と王弟さんだろ」
「はい、それが何か」
「何かありますか」
「俺は護民官だからな」
 それでと言うのだった。
「あんた達は王様だよな」
「同じ国の主ですが」
 王がここで久志に述べた。
「それでもですね」
「ああ、どっちが格上なんだよ」
「共和制と君主制ではですね」
 ここでだ、源三が久志に言ってきた。
「皇帝が最高位で」
「だから天皇陛下は別格だよな」
「そうです、我が国の」
 源三は自分達の世界のその国の話をした。
「天皇陛下は英訳するとエンペラーです」
「そうだよな、皇帝なんだよな」
「ですから王よりもです」
「格上だよな」
「そして王がその次に来て」
「その下でか」
「大統領、そして護民官もです」
 即ち共和制の体制の国家での元首はというのだ。
「その下となります」
「じゃあ王様を下に置くのはな」
 護民官がとだ、久志は言った。
「どうかってなるよな」
「はい、そこは」
「国家元首っていっても格があるってことだな」
「ですから古代の日本では王がおられました」
「長屋王とかな」
「そして中国でもです」
 皇帝を戴いていたこの国でもというのだ。
「主に皇族からですが」
「王を任じていたか」
「欧州でも皇帝はローマ皇帝ですが」
 カエサルがそのはじまりとされるが初代はオクタヴィアヌスでその前、即ち第零代皇帝だとされる。
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