暁 〜小説投稿サイト〜
魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第52話
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
。琴葉ちゃんは滅茶苦茶厄介でね。基本的に一度魔法を体内に入れさせたら、オレが解除するまで傷口附近を抉ったとしても、魔法を無効化しても消せない筈なんだよ。勿論、例外だって無い筈だった。だけど、どうも琴葉ちゃんに権限を使っても、十秒後くらいには消えちゃってるんだよね。どーせ、絶刃の効果なんだろうけど」

訳分かんねー、と呟きながら、主を失った部屋のソファに寝転がるグレース。大きく溜息を吐いて、髪をわしゃわしゃと乱暴に掻く。
珍しく気分を荒げているグレースに、真冬と響が意味ありげな笑みを浮かべると、グレースはわぁあああと叫びながら、クッションに顔を埋めた。

「ま、これからもグレース……否、グレース幹部は黒華元幹部に会えるから良いじゃないっすか。俺達はまた幹部に戻って、首領のメイド役ですよー」
「うー……そうだけどさぁ? 一舎一房に行けるかどうかは微妙な所だし、正体がバレた以上彼処に入れるのかさえ微妙ー」
「被験体……んじゃなくて、黒華元幹部の新たな……あぁああめんどくせぇ! 琴葉の新しい主の中にあるグレースの魔法で侵入すれば良いじゃねぇかよ?? んでそんな簡単な事思いつかねぇんだよ??」
「え、なんでオレ怒鳴られてんの? ってか、其れが出来ないんだけど!」
「はぁ……?」
「だからぁ? なぁんでかは知らないけど、琴葉ちゃん同様、レンに仕組んだ魔法も、十秒足らずで消えちゃったのさ! 若しもの時用に首領に仕組んだ時は平気だったから、レンも大丈夫かなぁって思ってたら違ったんだ! 普通に消えちゃったのさ?? 第一魔法刑務所の魔法大会の時は大丈夫だったのに! グレース君、激おこだよ?? ぷんぷん??」

グレースと響の言い合いに、苦笑いを浮かべるしかない真冬。此処で自分が入っても、絶対意味無い。だって、響君は首領と琴葉ちゃんと仁君以外の人を気遣うなんて、絶対ありえないもん。全部直球に聞くんだもん。オブラートに包むとか無いもん。

「そうですかー、気持ち悪いー」
「酷っ?? ……ごほん! まぁ其れは置いておいて、だ。なんでレンにもオレの権限が消されてちゃうのかって話。絶刃の影響って訳でも無いじゃん? 首領が大丈夫だったんだし。となると、レンも権限保有者って事かな?」
「彼奴は難題魔法の一つである“魔法の強制発動”を成功させてる。可能性はあるかも知れねぇが、ありゃ唯の一般魔法師だ。調べた感じ、魔法の研究者でも、どっかの魔法組織のヤツでもねぇ。特別な所なんて、特にはねぇは、ず……って、あああ??」
「うわびっくりしたぁ」
「彼奴はマフィアの元被験体?? んで、確か琴葉の派閥所属のヤツが担当だった検体の一人?? っつーことは、実験に使った琴葉の魔法を独学で研究して使い熟せる様になったっておかしくねぇ! 適当に使ってたら色々能力
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ