335部分:その日からその三十一
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うで美味しいの食べてるのね」
明日夢はメールを見ながらまた言った。
「私きし麺結構好きなのよね」
「ああ、そういえばスタープラチナでもメニューあるわよね」
「ええ、美味しいからね」
こう奈々瀬にも答える。答えながらラーメンを勢いよく啜る。スープは豚骨であり薬味に入れているゴマと紅生姜が実によく合っていた。
「だから入れてたのよ」
「入れたのはいいけれどよ」
「美味しいんだけれど」
しかしここで凛と奈々瀬が困った顔で明日夢に言ってきた。
「ウイスキーの時にそれ出すの止めてね」
「ベイスターズ負けてる時に」
「びっくりメニューでなのね」
「そうよ」
「その時よ」
二人はそのものズバリといった感じで顔を顰めさせて明日夢に告げた。
「あの組み合わせも全然合わないから」
「っていうか物凄い胸焼けしたんだけれど、後で」
「だからベイスターズの勝ち負けに関係ないから」
明日夢はこう反論する。一応はそういうことになっているのである。
「気のせいよ、合わないメニューが出るなんて」
「絶対気のせいじゃないわよね」
「ねえ」
今度は凛と奈々瀬が顔を見合わせて言い合うのだった。怪訝な顔でそれぞれハンバーガーとラーメンを貪りながら。
「絶対に横浜が負けてる時には物凄い組み合わせになるから」
「最悪はカレーに赤ワインだったけれど」
「あの組み合わせそんなに酷かったの」
「カレーにお酒は合わないわよ」
「ビールにパフェも最悪だったけれど」
どの組み合わせも皆にとってはまさに爆弾だったのである。
「とにかくどうなのよ、一体」
「ベイスターズの勝ち負けで組み合わせが変わるって」
「その割りに皆いつも頼むわよね」
そもそも皆頼むのである。これもかなり矛盾している。
「何でよ、それは」
「まあそれはね」
「やっぱりスリルがあるから」
彼女達も何だかんだで楽しんでいる。ついつい苦笑いと共に述べる。
「だからなんだけれど」
「それに個々だと美味しいし安いし」
「だったらいいじゃない」
半分居直る明日夢だった。
「それで」
「まあそうだけれどね」
「実際のところはね」
三人はそんな話をしながらどんどん食べていく。凄まじい勢いで弁当もラーメンもハンバーガーも消えていく。壮絶な食欲である。
そして瞬く間に食べ終わり。そのうえでまた言い合うのだった。
「で、後はよ」
「皆に合流は・・・・・・まだ嫌よ」
奈々瀬がここでまた泣きそうな顔を見せる。
「お化け屋敷の前は」
「わかってるわよ」
明日夢が微笑んで彼女に答える。
「それはね。わかってるから」
「悪いわね、本当に」
「だからそれはいいのよ」
話がここでまた戻っていた。
「それはね。じゃあこれ食べて暫く時間潰す?」
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