第百三十九話
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第百三十九話 朝食の場で
朝食はホテルの一階、食堂に出てのビュッフェだった。新鮮なサラダやフルーツがあり卵料理や乳製品、ソーセージやハム、ベーコンもある。
そしてシャンパンもある、そういったものをだ。
二人は取ってテーブルで食べはじめた。そうしつつカーミラは言うのだった。
「バイロンのお話もするけれど」
「それだけでなく」
「ええ、シャンパンをね」
「この朝はですか」
「楽しみましょう、辛いことはね」
それはというのだ。
「二日酔いが醒めてもね」
「そうしてもですか」
「飲んで」
そしてというのだ。
「そのうえでね」
「忘れていくことですか」
「今日は夜まで飲んでいいのよ」
そこまでしていいというのだ。
「明日は明日よ」
「あの、明日も」
雪路はカーミラに話した。
「実は」
「休日なの」
「明日は会社自体がです」
「お休みなのね」
「はい」
「なら余計にいいわね」
カーミラは雪路の話を聞いて微笑んで述べた。
「それじゃあね」
「今日は朝からですか」
「もう飲めばいいのよ。ホテルを出たら」
それからのこともだ、カーミラは話した。
「いいお店を紹介するわ」
「それでそのお店で、ですね」
「また飲めばいいから」
「だからですか」
「そう、今日は本当にね」
朝も飲んでと言うのだった、カーミラはパンに苺のジャムをたっぷりと塗りながら雪路に対して話した。
「飲んでね」
「そうして恋のことをですね」
「忘れるといいわ、お酒は洗い流す効果もあるの」
「洗い流す、ですか」
「心をね、だから飲んで」
そしてというのだ。
「忘れるのよ」
「前は止めてくれましたが」
「今は違うわ。前は止める時だったけれど」
それでもとだ、カーミラは話した。
「今は飲んでいいから」
「飲んでいいのですか」
「昨日の夜止めたのにも理由があるのよ」
それが何故かもだ、カーミラは雪路に話すことにした。自分も朝食を楽しみながら。
第百三十九話 完
2019・3・12
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