第十二幕その一
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第十二幕 素敵なプレゼント
一行はこれまで来た道をそのまま引き返してエメラルドの都に向かっていきます、その時にでした。
神宝達五人がそれぞれ言いました。
「行く時よりも帰る時の方が早いね」
「世界樹でもそうだったけれどね」
「今の黄色い煉瓦の道を進むにも」
「今だってそうね」
「すいすい進んでいくわね」
「旅はそうだね」
大尉が五人に答えました。
「行く時よりもね」
「帰る時の方がですね」
「速いですね」
「世界樹の時もそんなお話をしましたけれど」
「実際にですよね」
「速いですよね」
「そうだよ、通ったばかりの道で」
それでというのです。
「帰ろうって足がね」
「自然とですね」
「速くなってですね」
「それで帰るのも速いんですね」
「今みたいに」
「そうなんですね」
「そうだよ、とはいってもね」
足取りが速くなっていてもです。
「安全には気をつけて、そして旅を楽しむこともね」
「このこともですね」
「忘れたらいけないですね」
「しっかりと気をつけて楽しんで」
「そうしてですね」
「旅をしていけばいいですね」
「そうだよ、お家に帰るまでが旅だからね」
目的を達成して終わりではなくです。
「だからね」
「はい、帰る時までですね」
「楽しんで帰って」
「旅を満喫すればいいですね」
「エメラルドの都に戻るまで」
「ヘンリーさんとエムさんのお家に行くまで」
「お家に行くのが凄く楽しみなの」
ドロシーが笑顔で言いました。
「おじさんとおばさんにお会い出来るから」
「僕もだよ」
トトもドロシーのすぐ左の足元から言ってきました、トトの足取りも行く時より速い感じになっています。
「暫く振りだからね」
「元気なのはわかってるけれど」
「今どうしてるかね」
「そのことも見たいから」
だからというのです。
「会うのが楽しみよ」
「そうだよね」
「人は誰でもだね」
まさにと言ったかかしでした。
「家族に会いたいからね」
「だからよ」
ドロシーはかかしにも答えました。
「私もね」
「お二人に会いたくて」
「会う時を楽しみにしてるのよ」
「そうだね」
「僕達は肉親はいないけれど」
それでもと言う樵でした。
「ドロシー達の気持ちはわかるつもりだよ」
「家族に会いたいっていうそれがよね」
「うん、大切なものだね」
「何よりもね」
「友達よりも大事だね」
「ずっと育ててくれた人だから」
まさに育ての親なのです、ドロシーにとって。
「だからよ」
「そうだよね」
「僕にとってのオズマかな」
ジャックはこう考えました。
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