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ある晴れた日に
332部分:その日からその二十八
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その日からその二十八

「あんなところ入るなんて絶対に嫌よ」
「って御前ひょっとしてお化け屋敷とか苦手?」
「そうなのよ。子供の頃からね」
「奈々瀬って怖いの凄い苦手なのよ」
 凛と静華が皆に話してきた。彼女をよく知るこの彼女達がである。
「もう怪談とかちょっと聞いただけで泣き出すし」
「怖がりだから」
「ああ、やっぱりな」
「そうだったんだな」
 男組がそれを聞いて納得した顔で頷くのだった。
「道理でやけに怖がってると思ったぜ」
「そういうことか」
「そうよ。だから絶対に行かないわよ」
 もう実際にテコでも動かないといった感じになっていた。
「前に行くのも嫌よ」
「それだったら尾行できねえじゃねえか」
「そうだよな」
 しかし男組はここでこう言うのだった。
「せめて出口か入り口にいないと」
「どうするんだよ」
「終わったら携帯で連絡して」 
 こう言われても奈々瀬はあくまで動こうとはしない。
「そうしたらすぐに行くから」
「すぐって」
「そんなに嫌なんだな」
「絶対に嫌」
 相変わらずその顔はヤゴのようになっている。目も涙で溢れている。
「あんた達だけで言って。私ここにいるから」
「そこまで言うんだったらね」
 茜が最初に彼女の言葉を受けた。
「あんたここに残ってなさいよ」
「御免ね」
「いいわよ。私だって実はジェットコースター駄目だし」
 茜は自分のことも言うのだった。
「誰にだってそういうものはあるわよ」
「そうなの」
「そうよ。だから気にしない気にしない」 
 茜は優しい声で奈々瀬に告げた。
「明るくね」
「うん」
「そうだって。気にするなよ」
「誰だってそういうのあるじゃない」
 すかさず春華と咲が言ってきた。五人のメンバーもフォローする機会を窺っていたが茜に先を越されてしまって今やっと言えたのである。
「だからよ。ここで残ってなよ」
「ゆっくりとね」
「さて、それじゃあ」
「私達が一緒に残ろうかしら」
 凛と静華も彼女達なりに奈々瀬を気遣っていた。
「少年、悪いけれどさ」
「凛も残るわよ」
「じゃあ私が残るわよ」
 しかし明日夢は静華の代わりに残ると言うのだった。
「ここで凛と奈々瀬と一緒にいるから」
「ああ、それだといいわね」
 静華もそれを聞いて言う。
「あんた達二人が残ればそれで済むわよね」
「でしょ?だったらこれでいいじゃない」
「ええ、それじゃあそういうことで」
「私が残るわ」
 言いながら早速凛のところに行く。そうして二人でまたいちゃいちゃとするのだった。
「これでいいわよね、奈々瀬」
「私達が一緒に残るから」
「有り難う」
 奈々瀬はその二人に対して深く頭を下げた。
「迷惑かけて」
「いいのよ。っ
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