第二章 十三年の孤独
第48話 混沌の記憶
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の胸元に顔を埋める形になりながら、カオスはただその言葉を聞いていた。
「キミが私を求める内は、私もキミから離れたりしない。もう二度と、キミを孤独にさせたりはしない」
優しく告げられる言葉の数々にカオスは強張らせていた表情を緩めると、安心したように目を瞑る。先程まで苦しかった胸の突っ掛かりが嘘のように消えていくのを感じた。
「ありがとうございます、クロト様」
クロトから体を離しカオスは礼を言う。その顔には先程までの不安な色など微塵も無い、いつもの自信家な表情へと変わっていた。
「今回の試合はお任せください。この四代親衛隊モノクローム・カオスが、クロト様の理想を邪魔するアイツ等を叩き伏せてみせましょう!」
胸に手を置き、意気揚々と言い放たれた言葉にクロトは目を瞬かせると口元に手を当て笑い出す。
「相変わらず、切り替えが早いね」
クスクスと笑うクロトの姿に荒んでいた心が和んでいく。
――ああ、大丈夫だ。今の自分にはこの人がいる。
「じゃあ、期待してるよ。カオス」
微笑むクロトの言葉に、カオスは強く頷いた。
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