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色を無くしたこの世界で
第二章 十三年の孤独
第45話 空の街【ヒンメル】
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ルが戸惑う二人の安否を確認する。「大丈夫だ」と言葉を返すも、未だ心臓の高鳴りは止まらず天馬は尋ねた。

「シエル、今のは一体……」
「分かりません……こんな事、俺も初めてです」

 眉間にシワを寄せ不安そうな様子のシエル。瞬間、天馬の背後の扉がバタンッと勢いよく開いた。

「天馬、アステリ! 大丈夫か!」

 開いた扉の先には円堂を筆頭に大半のメンバー達がこちらを見詰め立っていた。
 皆、先程の地鳴りと爆音を聞いたのだろう。一様に不安そうな顔をしている。

「何かあったのか?」
「わかりません。俺達も突然地鳴りに襲われて……」
「長ぁーっ!!」

 混乱する一同のざわめきを更に押し上げるかのような男の声に、一同は視線を走らせる。
 白い地面を蹴って見るからに慌てた様子で駆けてきたのは、昼間に出会ったカルムだった。

「カルム、どうしました。先程の音は一体なんです」

 緊迫した様子で尋ねるシエルにカルムは荒くなった息を整えると、必死な形相で声を上げる。

「長、今すぐ広場に来てください! 皆が……大変なんです!!」
「え!?」


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