提督の反撃・その2
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がら芋虫のようにのたうっている。
「ごくろうさん、戻っていいぞ」
「あ、ええの?ほなサイナラ」
龍驤は床に転がった芋虫……じゃなかった、ガンビア・ベイを置き去りにして部屋から出ていった。
「とまぁ、見てもらっての通りウチにはもういるんだわ。ガンビア・ベイ」
俺がニヤリと笑って見せると、逆に大使殿は顔を青ざめさせている。
「な、何でこんな……」
「あ〜、まぁ簡単に言うとだな。お前さんらの目の上のたんこぶが余計な事してくれた結果、かな?」
その言葉で全てを察したのか、大使殿はガックリと項垂れてしまった。
「では、私共は何で賠償をすれば……」
「だぁから言ってんだろ〜?金が一番後腐れもなく手っ取り早いって」
「ですが!あの額は幾らなんでもーー」
「法外だ、とでも言いたいのかな?」
俺の言葉に二の句が告げなくなる大使殿。
「元々今回の交渉はイリーガル……法外な事柄の話じゃあなかったのかな?」
「そ、それは……そうですが」
「大体、深海棲艦取っ捕まえて艦娘じゃない人型機動兵器を孕まそうとか……お前らどこの鬼畜系同人誌の悪役だよ」
リョナはリアルにやっちゃダメだろ、JK(常識的に考えて)。
「な、何でそれを……」
「そりゃあねぇ?拿捕した艦を隅々まで調べるのは当然だ。それに敵の正体探るのも当たり前の話だろう?」
疲れた頭で言われてるから判ってねぇな?この大使殿。今、この部屋はライブ配信中なんだぜ?こんな爆弾発言幾つも投下したら、ネットは山火事どころか東京大空襲もボヤに見えるくらいの大炎上間違いなしだろうに。普通の状態なら間違いなく止めるだろう発言を聞き流してしまっている。耳にこっそり入れたインカムからは、
『良いですよ司令!もっとやっちゃって下さい!』
なんて青葉の興奮した声が聞こえてくるし、もう少しつついてみるか。
「ウチの明石によると、何がどう作用したんだか艦娘でも深海棲艦でもない体組織の組成が見られるって話だ。艦娘とは違う新機軸の人型機動兵器の可能性……こりゃ世界中が喉から手が出る程欲しがるだろうさ」
「そ、それが判っているなら……」
「判っているからこそ、だ。そんな大金の塊を、ウチのだから返せと言われてハイそうですかと返せる程、俺は耄碌してねぇよ」
「な、ならどうしようと?」
「そうだなぁ……オークションでもやるか」
「お、オークション!?」
「そうさ。どうせ売るなら1円でも高い方が良いからなぁ?何しろ新たな戦力になるかも知れん技術の塊だ、死体だとしても高く売れるぜ」
大使殿は信じられない、という顔で口をパクパクさせている。何となく酸欠で喘いでいる鯉っぽ
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