第7章:神界大戦
第205話「道中」
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しては……優輝に、そうなって欲しくはないわ」
「勝つまではやり遂げるだろうね。でも、“その先”の事は?一体、どれほどの代償が支払われるのかわからない。だから、優ちゃんには無理してほしくない」
神界での戦いに勝てたとしよう。
その時、果たして優輝は五体満足なのか。
それを、椿と葵は恐れているのだ。
無茶をするしないは、この際仕方がないと半ば諦めてはいる。
しかし、だからと言って無茶をして体を壊すのは許容できない。
「……そっか、好きだからこそ……だもんね」
「っ……!そ、そうよ……」
「……素直に認めた……だと?」
「さすがに私だって周知なのはわかってるわよ!」
椿の肯定に、鞍馬が慄くように驚いた。
いつもなら素直に認めない椿だが、もう周知なために今回は認めた。
「懇意にしているからこそ、信頼し、同時に心配する……なるほど……」
「えっと……祈梨さんはそういうのないの?」
ふと気になったのか、那美は尋ねる。
「いえ、私は……そういう相手は神界でもいませんでしたね」
「(……神界“でも”?)」
祈梨の言葉に引っかかる椿。
しかし、今は大した関係もない事柄なので、頭の片隅に思考を追いやる。
「……本当に、彼の事を大事にし、また貴女方も大切にされているんですね……」
「……あたしもちょっと照れ臭いね」
気を取り直して言った祈梨の言葉に、葵も少し照れる。
「―――だからこそ、利用する価値があります」
直後、それまでの空気が凍り付く。
「え………?」
呆然と呟いたのは、誰だったのか。
それを追求する者も暇もない。
「……ふふ………」
「なん、っで……!?」
驚愕と不意打ちに、誰もが身動きが取れなかった。
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