第7章:神界大戦
第205話「道中」
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…さっきの戦いでは、それ抑えて今までと同じように戦ったけど……なのはと同じように、何か違うわ」
「奏ちゃんも……どういう、事なんだろう……?」
ジャントとの戦い。
奏はその時、なのはと同じように“自分一人でも何とか出来る”と感じていた。
しかし、神界での初戦且つ、未知の相手と言う事もあってその思考は切り捨てていた。
感覚を抑え込む。そう思い込む事で、神界の法則に則って抑え込んでいたのだ。
「………もしかして……」
「奏?」
ふと、何か心当たりを思い出した奏。
その様子に気付いたアリサが声を掛けて尋ねる。
「結界内で修行していた時、祈梨さんから伝えられたのだけど……私となのはの体に宿っている存在……それが関わっていると思うわ」
「宿ってるって……っ……!」
奏の言葉に、なのはは大門の守護者との戦いの事を思い出す。
自身には全く覚えがないのに、誰かが自分の体を使って喋っていた事を。
アリシア達もその事を思い出し、奏に視線が集中する。
「“害意はありませんが、いつか向き合う必要があります”……そう、祈梨さんは言っていたわ。私となのはだけに起きている時点で、原因があるとすればこれだけよ」
「じゃあ……」
思い起こすのは、宿っている存在が喋っていた時、自分が無意識だった事。
完全に乗っ取られていた事に対する、恐怖感。
「(……だからこそ、向き合わないといけないんだ)」
そして同時に、なのははそう決意を固めていた。
「………」
「……優輝君?」
そんななのは達の会話を、司と優輝も聞いていた。
「奏ちゃん達が気になるの?」
「いや……心配はないだろう。二人の目を見る限り、向き合って乗り越えるぐらい容易にできるはずだ」
そう言って、優輝は視線を戻す。
「(向き合う……か。……優奈)」
その脳裏に浮かぶのは、自身に存在するもう一つの人格。
最初はただ人格を創造魔法で増やしてしまったと考えていた。
しかし、以前夢の中で優奈と対峙してからは、その考えは存在しない。
「(僕自身、向き合う必要があるな)」
我ながら謎が多いと、優輝は思う。
あれ以来、優奈と対話する事はなかった。
神降しの副作用で女性になっても、優奈が表に出てくる事もなくなった。
「(……優奈は、何か知っている。だが、何を……?)」
夢の中での会話は、明らかに“何か”を知っている口ぶりだった。
その事が、未だに優輝の頭に残り続けている。
「(邪神の尖兵を、あいつは“人形”と呼んでいた。実際、あれは邪神が作り出した“人形”であると、祈梨さんは言っていた。つまり、あいつはその時から神界について知っていた
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