第7章:神界大戦
第205話「道中」
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先の戦闘で気づいた事があったらしく、優輝が言葉を挟む。
「はい、なんでしょうか?」
「神界において他世界の法則が通用しない事は分かった。神の持つ“性質”の厄介さもな。……だが、他世界の法則が通用しないのなら、なぜ普通の形で戦闘ができる?」
「えっ……?」
優輝の言葉を、何名かは理解できなかった。
どういう事なのかと、優輝とソレラを交互に見る。
「“意志”のぶつけ合い、領域の戦い。……どれも他世界の普通の戦闘とは全く違う。だとしたら、相応の戦闘方法があるはず。しかし、その実態は―――」
「他世界と同じ、という事だね。考えてみれば確かに。陰陽師には陰陽師の、魔導師には魔導師の戦い方がある。なら、この世界ならではの戦い方があってもおかしくはないはずだよね」
理解していたとこよが優輝の言葉を続ける。
“意志”を挫く戦いならば、普通に戦う必要はないはずなのだ。
「何のためにわざわざ殴り合うんだ?」
「……本来、神界には他世界のような戦いはありません。皆が皆、自身の“性質”に沿った暮らし方をしたり、他世界を眺めていたりしています。神界において、“戦い”らしい“戦い”の概念はありません。その“性質”を持つ神もいますが、飽くまでそれは他世界での“戦い”です」
「つまり、“戦闘”となると、どうあっても他世界の戦い方が基準となる訳か?」
「そうなります。元々争いごとがない世界でしたので……。強いて言うなら、神界での戦い方に“形”はない、とでも言いましょうか……」
戦い方の“形”がない。
故に、他世界の戦い方を知っていた場合、それが基準となる。
「今回の場合は、あなた達の戦い方が基準となります。その上で相手に競り勝つのは難しいでしょうけど……」
「苦戦どころか敗北してもおかしくないのは承知の上だ」
先の戦いで、“勝てる”と即座に答えられないのは明白だった。
故に、“それでも戦う”と、優輝は皆を代表して答えた。
「……そうでしたね」
一縷の望みに賭けるように、優輝達は戦う事を決めた。
圧倒的な戦力差、存在の違い。それを知ってなお、諦めきれないからこそ、今立ち上がり、戦力が不足しているのを承知で攻勢に打って出たのだ。
「私達の戦い方が通用するだけマシだよ」
「……確かに。以前は、戦いにもならなかったから、一方的にならないだけマシだよ。何せ、“勝てる可能性”はしっかりあるんだから」
とこよの発言に、司が同意するように言う。
以前の戦い……それは神界からの干渉で送られた優輝似の男の事だ。
詳しく説明される事はなかったが、あれもイリスに
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