第7章:神界大戦
第205話「道中」
[1/9]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「全員、勝ってきたようですね」
優輝達が全員戻ってきて、ソレラがそういう。
「何とかね……」
唯一奇策を取らなければ勝てなかったグループの司が、疲れたように返答する。
「では、身を以って体験した事を踏まえて、改めて神界について説明しましょう」
「………」
戦闘前、心のどこかにあった楽観視の気持ちは、既に誰も持っていない。
あまりに異様な戦闘に、そんな気持ちなど跡形もなく吹き飛んだ。
「先に分断して戦った方に聞きますが……戦った感じ、どうでしたか?」
「一対一なら負けないけど、勝てないって感じが強かったかな?それに、致命傷を与えても倒せないのは厄介だったよ」
「加えて、“性質”……でしたか?それも厄介です。応用が利くのか、相当強力な効果を発揮してきました。……尤も、それでようやく互角といった実力でしたが」
とこよとサーラが感想を述べる。
同じ意見なのか、優輝や緋雪、紫陽や鈴、ユーリも頷いていた。
「まじか……俺達の所は、実力も高かったぞ……」
「でも、私達の所も、その“性質”があったから……」
唯一真正面から押されていた司達の所は、話を聞いて戦慄していた。
ただ、結局その強さも“性質”が原因なため、正確には判断できない。
「とにかく、通常の攻撃を与えても倒せないのは厄介だ。対し、僕らは致命傷や重傷を負えば、いくら意識していても無意識下でそれをダメージとして認識してしまう。……染み付いた本能がダメージを蓄積させている」
「その通りです。元々神界の神であれば、その点は意識すれば切り替えられますが……あなた達のように、他世界の住人はどうしても無意識にその世界の法則を自身に当てはめてしまいます」
本来なら、魔力不足や疲労が感じないどころか、痛覚も無効にできる。
さらに言えば、攻撃が当たった際の怯みすら無視できるはずなのだ。
しかし、優輝達は敵の反撃を食らった事で、吹き飛びもしたし怯みもした。
とこよ達は大群を相手にしたため、疲労も蓄積していた。
「戦闘が終わった今なら、意識すれば全快できるでしょうけど……」
「問題は、戦闘中か」
「はい」
無意識にダメージや疲労を蓄積するのは、主に戦闘中だ。
戦闘後なら、集中して意識すればそれらを回復する事は容易い。
しかし、戦闘中は特に無意識が働くため、蓄積しやすいのだ。
「……私みたいな感じね」
「そういえば、鈴さんは……」
キクリエとの戦いで、鈴は一度膝を付いていた。
あれもまた、無意識下による疲労の蓄積だ。
「一人が戦い続ける、というのは難しいでしょうね」
「だろうな。……一つ気になったが、聞いてもいいか?」
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ