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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第51話 帰ろう
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なくなっていた。
其れ程、私は彼に何かを期待しているのかな。
でも、返事は決まっている。だって、相手は彼だもの。
「ごめんなさい」
「え? そこは普通、泣きながら『はい……!』っつって、あまぁいキスをする流れじゃないん?」
「だって、貴方はそもそも貧弱体質じゃないですか! なのに、魔力なんて貰えませんよ?? それに第一魔法刑務所の囚人さんなんですよね?? 着いて行ったら其の先は刑務所じゃないですか??」
「だとしてもこれってチャンスだろ?? 物欲も無くなったの??」
「目の前のチャンス全てに食いついてたら、全てのチャンスを逃すんですよ!」
「わかっとるわ?? とにかく、行くぞおらぁあああ??」
「ちょちょちょちょ、待って下さい?? 体が動かないんです! 引っ張らないで下さい??」
「じゃあ抱っこする?? って事でいっきまーす! 皆待ってるからな??」
「はい?? って、ちょ……?? ひゃぁあっ??」
窓を開けて、レンさんと私は外へ飛び出す。
これから如何するのかなと思っていたら、下に看守服を纏った人達が沢山居て。
其の人達が私達を受け止める。
「きゃっ……!」
ハク「琴葉ちゃん、おかえり??」
シン「おかえり、看守」
「お、おかえりと言われましても、貴方達誰ですか?? と言うか、え、え?? 看守?? 逮捕?? や、えぇぇええ??」
橙条「逮捕しないっつーの?? てめえは今から第一魔法刑務所の看守だ!」
「第一魔法刑務所?? 如何言う風の吹き回し??」
青藍「ほらほら着替えろー! みんな、囲め囲めー?? こっちゃんの生着替えだぁ??」
「はい?? って、あ……此れ、看守服ですか……? 囚人服じゃないんですか??」
神白「囚人服が良いのか? 首輪と手錠と一緒に用意してあるぞ」
「首輪??」
要「あ。看守服の時にでも良いかも。神白主任、首輪ください」
「え、あ……本当に首輪だ……」
要「そこに鎖繋いでぇ! 琴葉、お手??」
「わん! ……って、犬の真似すれば良いんですか……? あれ、如何しました? 一斉に鼻押さえて……って、血!」
朱乃「大丈夫です、黒華主任」
汐梨「みんな、琴葉センパイの可愛さに、悶えてるだけですから」
「変な人達ですね……?」
レン「って、マフィアが来る前に行くぞー?? マフィア首領来たら死ぬって事で、琴葉!」
???帰ろう、第一魔法刑務所の一舎に。
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