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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第51話 帰ろう
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「……うぁあ、駄目……治療までしなきゃ……ぁあ……でも死んじゃうぅ……あうぅ、絶刃ぁ……」
「アレが黒華……?」
「うん! 橙条君」
「床でゴロゴロしてる、アレが?」
「そうだよ? 可愛いでしょ」
マフィアビルに来た看守達が、湊と仁、そして真冬と共に、地下牢獄に居る琴葉達の元を訪れていた。
「あの女性が橙条の言っていた、“黒華琴葉”と言う人か」
「嗚呼、もう君達の記憶を縛る必要は無いね。解放するよ」
湊が、パチンと指を鳴らす。すると、何かを思い出した様に、看守達が小さく声を上げ、そして琴葉に駆け寄っていった。
「黒華??」
「こっちゃぁぁああん??」
「黒華主任??」
「琴葉センパイ??」
「琴葉??」
青藍が琴葉をぎゅぅぅううううと抱き締める。ぐえぇと声を漏らしながら、琴葉は力尽きた。気道を圧迫し過ぎた結果、絶刃を使った反動で寝ていたのにプラスして、気絶したのだ!
「あはは! 琴葉はこんなに面白い人達と仕事してたんだね! 私達に劣らないユニークさがあるね」
「首領。それは無いです」
「ふふ、そうだね。マフィアが刑務所より平和なんて、有り得ないしね!」
現在のマフィア。構成員の九割は???寝てます。残りの一割は、書類と格闘中。
現在の第一魔法刑務所???
「あああああぁぁぁぁああああああああ????おそいぃぃいいいいいいい?? 心配なんだけどぉぉおおおお??」
「里理! おちちゅ、おちちゅきなしゃ」
? ppppp
「いやぁぁぁああああああああああああああ????」
「紅葉ちゃん、電話取ってぇぇえええ??」
「やだぁぁぁあああああああ?? もう大分対応したもんんんんん??」
ロリっ娘組を中心に、皆発狂してる。
「首領。琴葉様とその他六人は何処へ運びましょうか」
「そうだねぇ。集中治療室……特別治療室……うーん……特別治療室かなぁ」
「畏まりました」
「多分私達も其処へ移動する事になるから、運び終わったら御茶を入れてくれる?」
「はい。御客様の為に、最高級の茶葉を用意します」
「頼んだよ、仁君」
看守=御客様という事を遠回しに気付いてしまった橙条だった。
◇ ◆ ◇
「……………………んにゃぁぁああああああああああああああああぁぁぁぁぁあああああ????」
「わっ……!」
「死なないでっ?? 絶対助ける! あぁぁぁああああああああ??」
「琴葉様」
「仁?? ねぇ、響とかグレースとか、要さんとかレンさんとかが地下牢獄に居るんです?? 一分経つ前に、早くしないといけないんです??」
「琴葉様」
「止めないで?? 退いて下さい、仁??」
「琴葉
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