第一章 ハジマリ
第33話 再戦VSザ・デッド――影の力
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がやる!!」
「な……フェイっ!」
スキアのマークから外れ猛進するフェイの元に、同じくFWの剣城が駆け込んで来ていた。
剣城は前方からブロックに入る二人のDFを確認すると、自分の元にパスを送る様にフェイに声をかける。
だがフェイはそんな彼の言葉に強気な声を上げると、走るスピードを上げ、目の前のDF目掛け突っ込んでいった。
「どうしたんだ、フェイ……」
いつもと違うフェイの様子に、天馬は走る足を進めながら呟いた。
そこに横から同じ様に走ってきたアステリが、複雑な表情で言葉を返す。
「天馬。スキアの言った言葉が本当なら……多分今、フェイの心は不安定になっている」
「え?」
「ただでさえ、こんな異質な場所に連れてこられ、こっちは0対2で負けている……『自分が点を取らなければ』と言うフェイの思いが焦りに繋がり、心を不安定にする要因になっているんだ」
昨夜のカオス戦であれ程冷静に努めていたフェイ。
そんな彼も、一点も取れず、負傷者ばかり相次ぐこの状況に焦りと苛立ちの感情を露呈させてしまっている。
アステリの言葉に、天馬は前方を走るフェイの姿を苦しそうに見詰め続けた。
『フェイ選手! 次々にザ・デッドイレブンを抜き去って行きます! 雷門、このまま一点を取り返す事は出来るのでしょうか!?』
次々に飛び交うディフェンスを交わし、フェイは必死にボールをキープする。
最中、フェイは先程の敵の猛攻を思い出していた。
――ボールを渡せばザ・デッドによる猛攻が始まる。
――独りぼっちだった自分に居場所をくれた、天馬や……大切な仲間が、また傷付いてしまう。
――そんなの、もう。見たく無い
「これで、決める……ッ!」
ゴール前。フェイはボールと共に高く跳躍すると、背後から紫色のオーラを出現させる。
オーラはフェイと同じ緑髪に長いウサギの耳を生やした戦士の姿へと変わると、その体を六つの塊へと分散させた。
「光速闘士ロビンっ! アームド!」
フェイの声に合わせ、分散されたオーラの塊は発動者の身に纏い、鎧として変化した。
恐らく体力的に限界が近づいているのだろう。青白い顔をしたフェイは、それでもゴールを狙う。
「バウンサーラビットッ!!」
空中で放たれたフェイ渾身の必殺シュートは、確かな威力を纏いながらザ・デッドのゴールに向かい突き進んで行く。
『フェイ選手の強力な必殺技がザ・デッドゴールを襲う!! 雷門、同点なるかぁ!?』
「いっけぇー!」
「決まれーッ!!」
実況者アルの興奮した声に混じって、ベンチエリアに座っていた葵、水鳥、茜も立ちあがり、たまらず声を上げた。
このシュートが決まれば、雷門イレブンにとって強い追い風となる。
皆の
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