第一章 ハジマリ
第32話 再戦VSザ・デッド――潰し
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
心がある事をうかがわせた。
「アステリ……」
後半戦は倉間の代わりに影山が、速水の代わりに浜野が、それぞれのポジションに入り開始された。
試合開始直後、ザ・デッドからボールを奪った影山が天馬に向けパスを放とうとした時。マッドネスは猛然と走り込んでくると、強烈なタックルを繰り出した。
「うわあッ!!」
「輝!」
容赦の無いその攻撃に影山の体は宙を舞うと、勢いよく地面に叩きつけられる。
叫ぶ天馬の言葉をよそに、マッドネスはボールを拾うと強力なシュートにも似たパスを放つ。
衝撃波を纏いながら飛ぶボールはディフェンスに入った神童を打ち倒し、激突の反動で跳ね返ったボールは今度は錦を激しく打ち付けた!
「あの野郎!」
「ついに仕掛けて来たか……!」
ディフェンスエリアで怒気を含んだ様に声を上げた狩屋。それに続き、アステリが眉をひそめ吐き捨てる。
フォンセは自身の元に渡ったボールを一瞥すると、突っ込んできた天馬、浜野に目掛け思いきり蹴り込む。二人を吹き飛ばしたボールはザ・デッドイレブンの間を目まぐるしく飛ぶのと同時に、雷門イレブン一人一人を攻撃し、その肉体を少しずつ傷付けていく。
天馬達の顔を、腕を、腹を、胸を、背中を、足を、サッカーボールと言う凶器を駆使し、容赦なく潰して行くザ・デッド。
衝突した部位に痛みが走り、筋肉が悲鳴を上げても雷門は立ち上がる事を止めなかった。皆、轟然と突き進むボールに食らい付き、なんとか奪おうと挑み続けるも、そのたびに体は傷付き、体力は削がれていく。
途中、怪我の酷い天城が交代し、車田が入るも、すぐさまザ・デッドの猛攻に襲われ、倒れていった。
技を出す事も、立ち上がる隙すら与えない。ゴールを狙うつもり等、毛頭無い。
ただ雷門イレブンを倒す為。その為だけに、ザ・デッドはボールを蹴り続けた。
「悲しいですね……」
ゴール前、ボールを持ったスキアが退屈そうに呟く。視線の先には、傷付いた雷門イレブンが倒れ、動けないでいる。
「カオス様を負かした方達だから、どれくらいのモノかと思いましたが……とんだ期待ハズレです」
先程までの嬉々とした表情等微塵も無い。まるで天馬達を軽蔑するかの様な冷めた感情の無い瞳を持ったスキアは、ぐるりと視線を三国の方へと移し囁いた。
「なので、さっさと終わらせましょうか」
スキアは強く地面を蹴り上げるとボールと共に高く跳躍し、必殺技の構えをとる!
「ッ、やめろォ!」
「ビーストラッシュ!」
アステリがたまらず叫んでいた。
蹴り落とされたボールは黒い獣の影を纏わせ、唸りを上げながらゴールキーパー三国の元へと迫っていく。
迫りくる超必殺シュートを見詰めると、三国は両手を強く打ち
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ