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駄目親父としっかり娘の珍道中
第87話 テキーラをバケツで一気は止めましょう
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この場所に来たことを心底後悔したそうな。

「ひ、土方・・・大丈夫か?」

「だ、大丈夫に見えるかこれが・・・ってか、何て奴らだあの二人・・・このままじゃ俺達までもがやばい」

「寧ろあのキャバ嬢がやばすぎるだろ。幾ら弱体化しているとは言えシグナムと互角以上に渡り合うなんて人間じゃないぞ」

「「聞こえてるぞぉ〜〜〜」」

「「ひぃっ!!」」

 二人のひそひそ話も地獄耳を有した酔っぱらいには効かないらしく、鋭い眼光が地面に倒れ伏している二人に向けられていた。

「誰が人間じゃないだゴラァ! 誰がどう見ても立派な人間だろうがこの駄犬がぁぁ!」

「ぎゃあああああああああ! 千切れる千切れる! これ以上引っ張ったら尻尾千切れるからやめええええええ!」

「何時になったら酒持ってくるんだよくされマヨラーがぁぁ! あんまおせぇとてめぇの血を絞り出して飲んだるぞごらぁぁ!」

「し、絞まってる絞まってるゥゥゥ! チョーク決まっちゃってるからぁぁぁぁ!」

 標的がお互いから土方とザッフィーにスイッチしたが為に散々な暴虐行為を受ける羽目になってしまった。

 流石に土方やザッフィーがやられているのでは黙ってみている訳にはいかないとばかりに他の隊士達も止めようと駆け寄るが、その度に二人の酔っぱらいに悉くあしらわれてしまうばかりだった。

(近藤さん・・・生きて帰ってきたら・・・絶対此処の呑み代と治療費請求してやるからなぁ・・・)

 淡い期待を胸に、地面に倒れ伏した土方はそのまま意識を手放そうとした。

 そんな時、彼の目の前に何かが飛んできた。

 どうせ山崎辺りがぶっ飛ばされたのだろうと思ってみたのだが、其処に居たのは先ほどまで大乱闘を行っていたシグナム自身であった。

「う〜〜〜。酒〜〜〜。牛〜〜〜」

「え・・・えぇっと・・・一体誰が?」

 あの猛烈なハリケーンの中に飛び込める勇気ある者など隊の中にいただろうか?

 そう思い、土方は起き上がり、災害の中心地を見た。

 其処にはお妙やぼろぼろの隊士達に紛れて見覚えのない一人の人間が居た。

 傘帽子を被っていたので顔は分からないが、背丈的に言えばまだ未成年と言ったところだろうか。

「申し訳ない事をした。流石に婦女子に手を挙げる訳にはいかなかったのでこうするしかなかったのだが、少々手荒になってしまったようだ」

「嫌、あんた凄いよ。あんなハリケーンの中に突っ込んで行って姐さんぶん投げちゃうなんて」

「全くだ、タッパは低いが結構やるな兄ちゃん」

 瞬く間に隊士達から羨望と驚きの眼差しを向けられてきた。

 まぁ、さっきまで暴風雨ばりに暴れ回っていたあの二人の中に入って、かつ片目の台風を投げ飛ばすなんて
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