第87話 テキーラをバケツで一気は止めましょう
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て動物園にでもデビューしたらどうだ? きっと一大スターになれるぞ」
「ご冗談が上手いですねぇ。だったら貴方も【乳牛】として牧場に行ったらどうですか? さぞ質の良い乳が取れると思いますよ」
≪ピキピキ・・・≫
売り言葉に買い言葉。二人の女から発せられたのはその言葉だった。
それから二人は何も言わず、微かに笑みを浮かべながら隣同士で座り、一杯のグラスに注がれていた酒を一息で煽りだした。
数刻の沈黙。その沈黙が場を支配していた。
≪ブチンッッ!!!≫
その沈黙が破られたのは、双方の持っていた空のグラスが互いの握力で粉々に砕かれた瞬間だった。
「誰が乳牛だぁまな板ゴリラがぁ! 騎士を愚弄するならその場で切腹させるぞゴラァ!」
「あぁん? 最初に突っ掛かって来たのはてめぇだろうが! 人の事ゴリラ呼ばわりしやがって!」
「ゴリラをゴリラと呼んで何が悪い! 銀魂原作でもこの小説でもヒロイン株を取れてない貴様をゴリラと呼んで何が悪い! 我らリリカル勢でもお前みたいなまな板そうそう居ないぞ!」
「でかけりゃ良いってもんでもねぇだろうが! てめぇこそ胸しか取り柄のない野武士の癖に偉そうにヒロイン気取ってんじゃねぇよ! てめぇこそヒロイン株取れてねぇじゃねぇかこのホルスタイン!」
「誰がホルスタインだこの腐れゴリラ!」
「表出やがれ乳牛野武士! その無駄にでかい乳しぼり上げて垂れ下がらせてやっからよぉ!」
「上等だぁそのそっ首叩き落してやるわぁ!」
それから始まる二人の大乱闘。辺りに散らばるテーブルや椅子やらグラスやら皿やら、とにかく店内を巻き込んでの大ゲンカが勃発し始めたのであった。
「ぎゃーー! 姉さんと姐さんが喧嘩したぁぁ!」
「止めろぉ! 今すぐ二人を止めゴフゥゥ!!」
「無理無理! あんなハリケーンミキサー状態の中に突っ込むなんて自殺行為だから! 俺ら粉々のミンチになっちゃうから!」
「あぁぁ! 近場に居たザッフィーが巻き添え食らってボコボコにされてるぅぅ!」
忽ち店内は大騒ぎになってしまった。
「あ、あのねぇ君たち・・・ここはお酒を飲んで会話を楽しむ場なのであってだね・・・そんな風に喧嘩をするような場所じゃないんだよ」
このままでは不味いとばかりに土方も止めに入った。だが、そんな彼の胸倉を二本の腕がつかみ上げる。
お妙とシグナムの腕だった。
「あんだぁこのV字はよぉ・・・さっきから喧しいんじゃボケェ!」
「うだうだ言ってねぇで酒持って来い腐れマヨラー! 空ばっかだろうが! 客待たしてんじゃねぇ!」
双方の綺麗なアッパーカットが決まり、宙を舞う土方。この時土方は、
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