第87話 テキーラをバケツで一気は止めましょう
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「あらあら、好きでもない方と結婚だなんて、近藤さんも大変ですねぇ」
「嫌、明らかに他人事? これは近藤だけの問題じゃないんだよ。このままだと俺達はそのゴリラを姉さんと呼ばねばならないんだ! 我らにとってもそれはかなりつらい事なんだよ」
流石のザッフィーもゴリラを姉さん呼ばわりしたくないようだ。どうせならゴリラよりも人間に近い方を姉さんと呼びたいのかも知れない。
「さっきから隣でキャンキャン煩いですねぇ。番犬はちゃんとしつけないと駄目ですよ土方さん」
「え? 嫌俺は犬じゃなくて一応狼のつもりなんだが」
「それに何ですかこの銀髪は? 犬〇叉のつもりですか? 言っておきますけど髪だけ真似たって【お座り】って言うつもりはありませんからね」
「更に犬扱いぃぃ!! いい加減にしろよ。俺は犬じゃなくて盾の守護獣ーーー」
「お座りぃぃぃ!!!」
その言葉と共にさっきまで吠えていたザッフィーの頭を掴んで机に叩きつける。
その際に全く無防備状態だった為に見事に鼻っ柱に激突し、盛大に鼻血を噴き出しながら地面に倒れこんでしまった。
「ぶふぅーーー」
「もう、駄目じゃないですか。家は犬猫の入店はお断りしているんですよ。そんなに煩く喚くんなら・・・【殺処分しますよ】」
最後の言葉の辺りでお妙の目が鋭く尖ったのを見たザッフィーの背筋に冷たい何かが通り過ぎるのを感じ取った。
不味い、このままだとマジで殺処分されかねない。獣の本能がそう告げていた。
出来る事なら今すぐにでもこの場からすたこらさっさと逃げ出したい気分なのだが、生憎今は彼女の説得目的で此処に来ている為に逃げる訳にはいかない。
何とも辛い立場になってしまった。
ふと、視線をお妙からその隣に居たシグナムに移していた。
さっきから彼女は一言も喋らず黙っている。だが、彼女の目の前では大量の空のグラスが並んでいた。
その光景を見て、ザッフィーは青ざめた。
あ、やばい・・・これは一波乱起こるな・・・と。
「煩いのはどっちだ、同じゴリラ同士なんだし籍入れてしまえばいいだろうが」
「ゑ!?」
その言葉に反応したのは土方だった。そして、土方もシグナムの方を見て青ざめだした。
さっきまで一言も喋らなかったのでどうしたのかと思ったが、自分たちがお妙の説得をしている間ずっと飲んでいたらしい。
見れば、目の前には空のグラスが大量に置かれており、しかも彼女の顔は真っ赤に染まっている。
完全に出来上がっている状態だった。
≪ピキ・・・≫
「あら、聞き間違いだったかしら? 同じゴリラって聞こえたんですけど?」
「目の前にいるだろう。お似合いなんだからさっさと揃っ
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