第87話 テキーラをバケツで一気は止めましょう
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話を楽しむ場ですよ土方さん。その場に来ておいて酒を飲まないなんて非常識じゃないかしら」
「客にバケツ一杯のテキーラを勧める店も非常識だと思うぞ俺は」
ちらりと土方はバケツを抱えているザッフィーを見ていた。
少しずつ飲んでいるようだが全く減っているように見えない。
そりゃバケツ一杯分のテキーラだ。そうそう呑み切れる筈がないだろうに。
「ほらほら、ザフィーラさんもそんなケチケチした呑み方してないで一気にグーっていっちゃって下さいな」
「いや、流石にこれだけの量を一気には無理なんだがーーーー」
「いかないならその綺麗な尻尾を切り落としてマフラーにしちゃおうかしら」
「いただかせていただきます!」
お妙の発言に身の危険を感じたザッフィーはバケツ一杯のテキーラを持ち上げ一気に煽った。
大量のテキーラが怒涛の勢いで胃の中に飛び込んでくる感覚に思わずリバースしそうになったがそこは必死に耐えた。
何しろ耐えないと今度はお妙の手によって自慢の尻尾が千切られてしまうと思ったからだ。
「うっぷ・・・げふぅ・・・」
「まぁ、惚れ惚れしちゃう呑みっぷりですねぇ。それじゃもう一杯どうですか?」
「た、頼む・・・もう勘弁してくれ・・・」
何時になく弱弱しいザッフィー。今彼の胃の中には大量のテキーラで満たされている状態だ。
正直何時決壊するか分からない。
腹筋でバキバキに割れてた今の彼のお腹はテキーラでタプタプになっている。
そんなお腹をお妙は笑いながら突いている。
しかも笑いながらーーー
「おい、そろそろ本題に入りたいんだが、良いか?」
「あら、ただ呑みに来ただけではなかったのね? それで何かしら」
「近藤さんが近々見合いをする事になった」
サラリと土方がカミングアウトした。
「まぁ、遂にあの方に見合った雌ゴリラが見つかったのね。おめでとう」
「あれ、おい土方・・・あの女全く堪えてないみたいなんだがーーー」
土方のカミングアウトに対して全く落胆するどころか寧ろ嬉しそうにしているお妙に対してお腹タプタプ状態のザッフィーがそっと訪ねて来た。
「そりゃそうだろうよ。近藤さんの今までの執拗なストーカー行為にあの女相当苛立ってたんだ。寧ろこの報告はあの女にとっちゃ吉兆の報告って奴になっちまったんだろうな」
「だとしてもこのままじゃ不味いだろ。何しろその近藤の見合い相手って言ったらーーー」
懐から一枚の写真を取り出し、そっと机の上に置いた。
「あら、誰このゴリラは?」
「・・・近藤さんの見合い相手だ。何でも何処ぞの王族の王女様らしくてな。上の連中も政略結婚目的だから断るに断れないみたいでよ」
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