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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第10話
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とエリゼに気づくとエリゼに微笑み、声をかけられたセレーネは戸惑いながら答え、エリゼは戸惑いの表情でアイドスに問いかけた。
「そうね…………一言で言い表すならば”押しかけ女房”と言うべきかしら?」
アイドスの答えを聞いたその場にいる全員は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「フフ、そういう訳だからこれからよろしくね。それじゃあ私は一端太刀に戻るからリィンの事、お願いね。」
そしてアイドスはリィンの太刀に戻った。
「…………………え、えっと………とりあえずリィンさんはベルフェゴール様に続いて心強い仲間ができたと思うべきなのでしょうか?」
「”心強い”ってレベルじゃねぇだろ…………”魔神”を使い魔にしている時点ですでに”チート”と言ってもおかしくない戦力なのに、そこに”女神”まで加わるとか、こいつの女運は一体どうなっているんだと俺でも突っ込みたいくらいだぜ…………しかし、リィンが女神と”契約”を交わした話をゼルギウス将軍閣下達が知れば、間違いなく驚くだろうぜ。いや〜、あの将軍閣下達が驚く顔が今から楽しみだぜ〜。」
「そしてゼルギウス将軍閣下達からアイドス様の件がリフィア殿下やリウイ陛下達にも伝わって、メンフィル皇族の方々まで驚かせることになるのでしょうね…………」
我に返って苦笑しながら呟いたステラの言葉に疲れた表情で溜息を吐いて答えたフォルデは口元に笑みを浮かべ、セレーネは苦笑し
「ハア…………ちょっと目を離した隙に増やすなんて…………それもその相手が”古神”だなんて…………」
「ベルフェゴール様の件といい、メンフィル軍に所属してからの兄様の”悪い癖”が明らかに酷くなっていますよね…………」
エリゼとエリスはそれぞれ疲れた表情で頭を抱えて溜息を吐いた。

〜帝都クロスベル・中央通り〜

「速報です!今回の迎撃戦での活躍を評されて、メンフィル帝国軍の少佐に”昇進”し、ヴァイスハイト陛下から感謝状を授与されると共にメサイア皇女殿下との婚約が発表されたメンフィル帝国の新たなる英雄―――リィン・シュバルツァー少佐はエレボニアの内戦終結の鍵となったエレボニアの若き英雄”灰色の騎士”と同一人物との事です――――」
「え…………い…………ゆ…………う…………?」
中央通りに設置されている臨時の巨大モニターに市民達の一部が注目している中、天使の女性――――天使階級第七位”権天使(プリンシパティウス)”ユリーシャは虚ろな目でモニターに映るリィンの写真を見つめてグレイスの解説を聞いていた。
(けが)されなければ…………我が主がいる世界すらからも追放され…………我が主の為に…………この身を(けが)す事すらできなくなった…………壊れた天使である…………この身に唯一できる”英雄”への役割は…………”英雄”にこの身を(けが)されること…
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