324部分:その日からその二十
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その日からその二十
「スタープラチナでね」
「ああ、そうだったの」
「ケーキとかシュークリームは山月堂なのに」
「クレープはあれじゃない」
皆に応えて話すのだった。
「すぐに焼かないと駄目よね。注文があってから」
「それはそうだけれど」
「だからスタープラチナで焼いてるの」
「そういうこと。実はこの夏休みの間に今何もやってない一階でクレープ屋もやるから」
それもやるというのだ。
「もうスタッフの人集まってるしね」
「そこまで話進んでるの」
「うん。親戚の料理学校出たお兄ちゃんとお姉ちゃんが入るのよ」
メンバーについても述べる。
「私もね。スタープラチナの方で焼いていくから」
「何か少年のお家って何でもやるのね」
「カラオケに居酒屋までって」
「営業拡げてるのね」
「実は昔一階に居酒屋があったのよ」
ここで店の事情も話すのだった。
「それで今居酒屋のある場所は空けていたけれど場所を移して」
「そうだったの」
「お爺ちゃんが風水じゃその方がいいって言って」
だからだというのである。
「それでね。移ったのよ」
「風水ねえ」
「それでなのね」
「で、暫く一階は開けてたけれど風水で黄色を入れたらいいってまたお爺ちゃんが言って」
「で、クレープ屋か」
「成程ね」
皆明日夢の言葉を聞いてまた頷くのだった。
「クレープって黄色いからね」
「それでなの」
「で、今度クレープ屋さんも開くことにしたの」
明日夢はにこにことして話す。
「目出度くね」
「じゃあ開店したら行くな」
「楽しみにしてるわよ」
「御願いね。早くて安くて美味しい」
三拍子も言う明日夢だった。
「楽しみにしておいて」
「で、お店の名前は?」
静華が問うのは店の名前のことだった。
「またベイスターズ絡みなの?」
「ええ。モビーディッグ」
これが店の名前だというのである。
「名前それに決まったから」
「それおめえの居酒屋の前の名前じゃなかったか?」
坂上はそれを聞いてすぐに突っ込みを入れてきた。
「確かよ」
「あれっ、前の名前って白鯨じゃなかったのか?」
「そうよね」
皆それを聞いてそのことも思い出したのだった。
「確かそうだったよな」
「それをメルヴィルの原題にしたのね」
「そうよ」
今度は恵美の言葉に応える明日夢だった。
「それでなのよ。クレープだから洒落た名前にしようってなって」
「いや、全然洒落てないから」
「クレープ屋さんの名前じゃないから」
「そう?いい名前じゃない」
しかし明日夢はそう考えてはいないのだった。
「もうね。格好よくて雄大で」
「雄大なのは確かだけれどよ。クレープ屋の名前じゃねえだろ」
坂上がまた突っ込みを入れた。
「御前
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