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レーヴァティン
第百四話 半島統一その三

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「後は返事次第だよ、もう敵の切り札はなくなった」
「我々が夜襲を退け」
「そうしたからですね」
「だからですね」
「敵は降るか敗北を承知で籠城するか」
「どちらかですね」
「降伏すれば俺はいいさ」
 それでとだ、久志は笑って述べた。
「この国の誰にも怨みはないし戦略的にもな」
「この国が全て手に入れば」
「それでいい」
「そうお考えだからですね」
「構わないですね」
「ああ、それでな」
 これでというのだ。
「いいしな、じゃあな」
「返答次第ですね」
「降ればそれでよし」
「もうこれで」
「切り札も潰して敵の戦意も確実に折れた」
 そうなったからだとだ、久志は自分の見立ても話した。
「なら多分な」
「降りますか」
「王都にしても」
「そちらを選びますか」
「王弟さんがどれだけ血の気が多くてもな」
 それでもというのだ。
「もうそうするだろうな」
「ですか、では」
「返答は一つですか」
「あちらからのそれは」
「そうだろうな、じゃあ待とうな」
 久志は余裕さえ見せて述べた、そしてだった。
 使者が帰って来るのを待った、やがて使者が戻ってきたが彼は久志達に満面の笑顔で吉報を持って来た。
 これで南の王国との戦は終わった、久志は王国の全ての者の命を財産を保証した。そうしてそのうえでだった。
 戦後の処理を済ませてローマまで駐留させる以外の軍勢を残して戻った。こうして遂に半島とその周辺の島々を手中に収めたことを実感してだった。
 久志は護民官の官邸において笑顔で言った。
「これで第一段階終了か」
「はい、おめでとうございますと言うべきですが」
 源三が述べた。
「それでもです」
「まだまだだよな」
「これからもです」
「戦ってな」
「降していき」
「そうしていってな」
「この浮島を統一し」
 そうしてというのだ。
「東の島とも協力して」
「海の魔神を倒さないとな」
「そうしなければならないので」
 それ故にというのだ。
「まだです」
「喜ぶには早いな」
「厳しいことを言えば、ですが」
 それでもとだ、源三は久志に微笑んで述べた。
「一つの目標にです」
「達することは出来たよな」
「目出度く」
「これで他の勢力ともな」
「互角に渡り合えます」
「そうだよな、じゃな」
「はい、次の段階に移れます」
 それが可能になったというのだ。
「無事に」
「そうだな、じゃあな」
「これからはですね」
「人材をな」
「多く登用して」
「そうしてな」
「人材を活用していきますか」
 こう久志に問うた。
「我々だけだと限界があるので」
「正直そろそろだろ」 
 その限界が来る時はというのだ。
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