第一章
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邪宗の尼僧
屈陽順と茅玄水はこの時屈の神託で中国遼寧省大連に来ていた、屈はその大連の中で茅に対して言った。
「神託で来たけど」
「それでもやな」
「さて、どんな神託か」
軽い感じでだ、屈は茅に言った。
「それが問題やな」
「それはな」
茅は軽い感じの屈に述べた。
「こんなとこで言う台詞やないやろ」
「そうか?」
「そや、今はな」
「それは何でや」
「今おら様達は飲んでるんやで」
こう屈に言う、見れば二人は今は居酒屋の中にいる。屈は大連に入ってすぐに茅を連れてこの店に入ったのだ。
牛肉と野菜の炒めもの、山羊肉を煮たもの、牛肉麺、川魚の煮物、肉饅、焼き餃子にデザートはライチである。酒は青島ビールだ。二人でそうしたものを飲んで食べているがここで茅は屈に言うのである。
「それでな」
「神託の話をしてもか」
「ちょっと説得力ないやろ」
「そういえばそうか」
「そや、まあそれでもな」
ここでビールを飲んでだ、茅は言った。
「このお酒美味しいしな」
「料理もな」
「ええな」
「僕はこういうのわかるんや」
ゴブリンの緑の顔を綻ばせてだ、屈は言った。
「美味いお店がな」
「勘でか」
「いや、飯時にお客さんが多くてな」
それでというのだ。
「出て来るお客さんが笑顔や」
「それでか」
「そや、それでや」
その二つでというのだ。
「わかるんや」
「そういうことか」
「前僕日曜に天下茶屋に行ったけどな」
「大阪西成のか」
「あそこであるうどん屋の前を通ったが」
「飯時やのにか」
「お客さんが少なくて出て来るお客さんもな」
うどんに似た牛肉麺を食べつつ言う、麺の太さは似ているがそれでもスープが違うので肉うどんとはまた違っている。
「笑顔やなかった」
「そこでわかったか」
「この店はまずいってな」
「実際に食わんでもか」
「そや、ちなみに某牛丼チェーン店はな」
チェーン店は味が一定している、これが牛丼も同じだ。
「いつもお客さんが多くてな」
「出て来るお客さんもやな」
「笑顔や」
そうなっているというのだ。
「これがな」
「それはおら様もわかるわ」
「そやろ、それで僕が今自分を誘って飲んで食うてるのは」
「昼から飲んでもか」
「腹が減ってはやからな」
今度はビールをジョッキで飲む、五百ミリリットル一気に飲んでおかわりを頼んだ、そのおかわりから言うのだった。
「まずはな」
「お酒もか」
「ええやと、とにかく神託は何か」
「それが気になるか」
「僕の鍵師の特技を生かせるか」
シーフ系の職業の中でも特に扉や宝を開けたり鍵を作ることに長けている、その職業のことを言うのだ。
「それやったらええな」
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