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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
緋が奏でし二重奏 T
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の交錯で、出来る限りに思考を巡らせていた。

理子は嘲笑を吐き出すと、手にしているワルサーP99の銃口を、自分とアリアとに交互に向けた。それは再度の宣戦布告に等しい。理子が倒すべくはオルメス4世──神崎・H・アリアだが、同時に彼女のパートナーを務めている自分さえも、その対象に含めてしまっているのだ。
そこまでして、理子はアリアを倒したい。しかしその熱情を思うに、それだけではないだろうことも、類推できていた。アリアを倒して、両家の遺恨を消す以外の、その理由とは──?


「御生憎様だけれど、アタシたちはアンタと4代越しの決闘をしに来たんじゃなくて、アンタを逮捕しに来たの。両家の遺恨とか何とか関係ないから。……何より《武偵殺し》としての悪行は看過できないし──ママに濡れ衣を着せたことは、絶対に赦さないわっ!」


アリアはそこで、銃のグリップを握る手に感情を込めていた。そうして、口端を哀傷に歪めている。トリガーガードから外されていた指先は、既に引き金を引きかけていた。
刹那──瞋恚(しんい)を纏う45口径が、轟音を伴って、その数を倍加させていく。理子の両側面を挟撃するような軌道で飛来してゆくそれらは、アリアの強い決意を表していた。絶対に逃がすまいとする威嚇とメッセージとを兼ねた射撃だろう。彼女らしいと言えば、らしかった。

威嚇射撃で全弾を撃ち切ったのか、素早くリロードを済ましてからアリアは踏み込んだ。身動きのとれない理子の懐に、その持ち前の小柄な身?を更に屈ませながら。そうして、ガバメントの銃口を防弾制服の上から当てがっている。紛れもなく、近接拳銃戦(アル・カタ)の志向だ。
理子の持つワルサーP99の装弾数は16発。対してコルト・ガバメントは7発、チェンバーに篭めておくかエジェクションポートから追加するなら、8発。それが2丁でやっと互角になる。

16発に賭けて、短期決戦でいこうとするつもりだろうか。それとも直情的なアリアの性格が、特にこうした考えもなしに、事を進ませてしまったのだろうか。それは分からない。
とはいえ、ここまで接近した以上は退く隙を見せることすら危険だ。彼女もそれを分かっているのだろう──逡巡する素振りも見せずに引き金を引いた。その寸前に、理子が銃を手で弾いて射線を逸らしている。カウンター攻撃のようにP99を突き出すも、それもまた弾かれた。

常に防弾制服を羽織っている武偵と武偵の戦いでは、こうした近接拳銃戦は頻繁に起こる。それも射撃を目的としたものではなくて、刺突ないしは打撃的損傷を与えるための手段として。
だから銃口を如何にして自分から逸らすかが重要になる。手で弾くのか、身体ごと逸らすのか、相討ちを覚悟で防御をしないのか──今回の2人も、例に漏れずそれだった。

発砲するごとに攻守が
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