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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
予行演習《プロローグ》
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も、また。自分たちはこの1日で双方を成し遂げたのだ。
週明けの月曜日──本来なら武偵校に行き、授業を受けて下校しているあたりだろう。しかし今日ばかりはキンジだけを向かわせて、自分とアリアとはまた別の行動をとっている。
羽田空港から離陸した旅客機であるANA600便──別名『空飛ぶリゾート』は、その到着先をロンドンのヒースロー空港へと定め、飛行中と相成っていた。1階の全域がバーに、2階は12個のスィートルームに分割した、超豪華旅客機。それがANA600便だった。
窓の向こうの地表と黄昏とを眺めながら、滋味豊かな珈琲で口腔内を潤す。あまりにも豪華なこの舞台袖も、これから始まるであろう舞台への下準備と考えれば、内心合点がいった。自分もアリアも、ソファーに隣り合って座りながら、何をするともなしに寛いでいる。
「……あっ、そういえば、アリア。この飛行機に乗る前、キンジから連絡があったんだけどね」
「連絡? そんなのあったの?」
「うん、落ち着いてから話そうと思って。彼には作戦通り、武偵校で別に待機してもらってるでしょ。その流れで、どうやら午前中から独自に動いてたらしいんだ。武偵殺しに関する資料を探すためにね。それで、警視庁から資料を借りたんだって。そうしたら、あることが判明した」
「あること、って?」そうアリアは問い掛けた。首を僅かに傾げながら。
「キンジは、武偵殺しの犯行を時系列順に見ていったらしい。当たり前だけどね。……初期の3件は──バイク、自動車、船だった。そうして君は、その事件は知っていても、武偵殺しの犯行だとされる3件目を知らないはずだ。3件目は、シージャック」
「えっ……、知らない。なによ、それ」
「やっぱりね。君の知っている武偵殺しの犯行というのは、全て電波を傍受している件のみでしょう。その点、この3件目は例外だった。裏を返せば、彼の者は電波を必要としなかった」
「何故なら3件目は、武偵殺しが直々に赴いたんだからね」そう付け加える。
「3件目は、通称『浦賀沖海難事故』と呼ばれてる。または『アンベリール号沈没事件』。……話したろう。キンジの兄、遠山金一が殉職した事件だ。それとこれとを関連させると、遠山金一は、武偵殺しに殺された──そう読み解くしか出来ないんだ。分かるね?」
「そうして、それだけじゃない」そうも付け加えた。
「武偵殺しの初期の対象が、バイク、自動車、船──現在の対象が、自転車、バス。段々と大きさが増しているでしょう。そうして昨日に判明した通り、彼の者は罠を残していた。武偵殺しが峰理子だと分かれば、きっとアリアはその通りに来る。その迎え撃つ場所を、何処にするのか。それが理子の魂胆だろうね。予定は初期3件目と同じくして、船だったかもしれない。寧ろ、それが
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