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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
武の論立者
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、バス、自転車……か?」
「正解。圧倒的に使用頻度は《境界》の方が多いよね。けれども武偵殺しは、自転車に
爆弾を取り付けていた。けれども、俺たちが自転車に乗らなければ、武偵殺しの計画は空振ることになる。それは彼の者の手順としては似つかわしくないよね。武偵殺しは奇襲的に行動を起こすんだから、計画そのものが空振りを迎えてしまっては、どうにもならない」
「それじゃ、武偵殺しは事前にそれが分かってたってことに──」
「なるんだよねぇ、この仮説だと。それと同時に、恣意的な犯行であることも、また」


「武偵殺しとしての体裁を維持するのなら」そう続ける。


「《境界》で登校をしても、下校時に例のセグウェイで奇襲を仕掛ければいい。下校は、ほら。だいたい徒歩でしょ? バスに乗ったとしても、先日のように……キンジは知ってるかな。スポーツカーにUZIを載せて、それをバスに併走させてたんだ。そうすればいい。むしろ、いま挙げた双方は、事前立案としても如何にも武偵殺しらしい手口になるよね」


言い、キンジの様子を窺う。彼は小さく頷いた。そうして、「それならどうして、武偵殺しは俺たちの行動パターンが読めたんだ? 盗聴してるわけでもあるまいし」
「そのまさか、かもよ。逆にどうして、盗聴されていないと思えるの?」キンジは文字通り閉口していた。推論に固定観念を織り込むことが如何に危険か、それを理解しただろう。


「今日の昼間、鑑識科をここに手配するつもりでいるよ。そこで盗聴器とかそういう類のものが出たら、武偵殺しが隠密行動を図っていたことの証左になるね。これが、仮定の1つとしてのキーワードになるんだ。隠密行動、工作活動が得意な人間──ということに」
「なるほど……。まずはそこの結果待ちか」
「そうだね。でも、また疑問が出てくる。何故、武偵殺しが俺たちを標的にしたのか。盗聴器を仮定の視野に入れた時点で、無差別的な犯行ではなくなってしまったね。恣意的な犯行になってしまっている。彼の者が、如月彩斗と遠山キンジを狙う理由があるのでしょう」


しかし、この理由に関してはアリアにも説明していない。否、説明していないのではなくて、分からなかったのだ。武偵殺しが自分たちを狙う理由というのが。それでも、何とかして答えを捻り出したところに、まさかアリアが関係しているだろうということは意外だった。
キンジから、その向かいに腰掛けている少女へと視線を移す。


「如月彩斗と神崎・H・アリアとは、武偵活動のパートナーになった──その候補の中に、如月彩斗の他に遠山キンジをも含めていた。このことは、少し前にキンジにも話したよね。ところで、 2人の情報を、既にアリアは始業式の前から収集していたろう? どうだい?」
「えっ……うん。教務科とか、強襲科とか、前の
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