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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
情報の真価
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こちらに手を振りながら挨拶だけ残していく。
「じゃ、理子はここでバイバイなのですっ。また明日っ! そのタブレットはあげるね!」
「うん、ありがとう。道中は気を付けて」
◇
理子が去った後もそのままタブレットを眺めていると、そこにはアリアのプロフィールだけではなく、先日に鑑定を頼んだセグウェイに関しての結果も記してあった。市販のセグウェイには、スピーカー、流通品のUZI、遠隔操作の電波受信機、そうして当時の読み通り、あのセグウェイには諸々のセンサーも取り付けてあったらしい。温度感知センサーと、物体移動感知センサーの存在、その2つがこの鑑定で明らかになった。この情報は、大きいね。
すると、不意に扉の開閉音がした。画面から顔を上げてみると、どうやらアリアが帰宅したところらしい。「お疲れ様、何処に行ってたの?」と問い掛けると、「ちょっと捜し物をしにね」と返ってきた。少しだけ、はぐらかされたような気がする。捜し物とは何だろうか。
「それより、彩斗こそどうしたのよ。タブレットなんか見てて。……あれっ?」
俺がタブレットで何を見ているのか疑問に思ったらしいアリアは、ちょうど背後に回ってくるようにして、その画面の中を覗き込んでいた。そうして、気が付いたようだ。
「アタシのプロフとセグウェイの鑑定結果じゃない。誰かに貰ったの?」と問い掛けてきた。
「うん、探偵科の理子にね。タイミングもタイミングだし、ちょうど良かったよ」
「ふぅん……。勉強熱心ね」
アリアはそう呟くと、そのままソファーの背もたれを飛び越えて、自分の隣へと腰掛けた。小さく伸びをしている彼女の姿を一瞥してから、タブレットを机の上に置いた。同時に、いま隣に居る眇たる一少女が、天才と高貴とを兼ね備えた少女であることに、内心で戸惑っていた。
「ところで彩斗って、ご両親はどうしてるの?」
アリアは不意に、そう問い掛けてきた。その言葉の裡面に、何を潜ませているのか。そもそも何故、このタイミングでその問いをぶつけてきたのか。彼女が今しがた帰宅したことと、何かしら関係があるのではないか──暗に勘繰りながら、それを気取られないように答える。
「えっとね……2人とも死んだよ。父は警察庁の公安でね、そこで殉職した。14才の頃かな。母もその翌年に病死。どちらにしても、武偵中に入りたての頃だったと思う」
「あっ、えっと……そう、なのね。……なんか、ごめん」
「別に気にしなくていいよ。それに──訊きたいことがあるなら、直に訊けばいい」
アリアの顔色を観察していて分かった。表層的には驚いたように、きまりが悪いように見せているけれども──純粋な驚きとは掛け離れているように思えた。そうして、この話題はブラフだろ
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