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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
物騒な自己紹介
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も運転できること、だそうだ。自分を含めて強襲科の任務の際には、その能力を買って武藤にお世話になっている。ちゃっかり有望者だ。
そんな馬鹿騒ぎしている武藤を一瞥した後に、アリアはそのまま自分の方へと歩いてきた。どうやら本当に座りたいらしい。それにしても、何故……? 先刻の復讐でもするというのだろうか。
その途中、不意にキンジの席の前で立ち止まったアリアは、制服のスカートに通していたベルトを雑に解いた。流れるように彼の手元に投げ渡すと、突き放すように冷淡と告ぐ。
「……キンジ、これ。さっきのベルト」
それを受け取ったキンジは、さも決まりが悪そうに素早く着用した。その動作の早いこと早いこと──本当に君たちは何をしていたの? 自分が来る前の体育倉庫で。それが気になるね。
「あ、分かった! 理子分かっちゃった!! これ、フラグばっきばきに立ってるよ!」
陽気な声色と共に手を挙げて立ち上がったのは、ロリータ系の改造制服を身にまとっている金髪ツインテールの少女だった。その改造制服のデザインは、聞くところによると彼女の趣味らしい。
そんな彼女──探偵科の峰理子と言えば、校内の大抵の人間に伝わるだろう。名前を知らずとも、その奇抜な格好は誰もが1度は目にしているはずなのである。傍目に見れば、ただの馬鹿騒ぎしている馬鹿なのだが──その実、能力的には申し分ないのだ。といっても、この性格のせいで薄れてはいるけれど。
「キーくんベルトしてない! そしてそのベルトをツインテールさんが持ってた! これ、謎でしょ謎でしょ!? でも、理子には推理できた! できちゃった!」
理子はキーくんことキンジ、ツインテールさんことアリアを交互に指さすと、何やらお得意げに胸の前で手を握り締めた。しかし、理子のことだ。真面な推理の予感がしない。なにせ、性格は武偵校でも群を抜くほどのお調子者なのだから。とはいえ、気になるには気になるので耳を傾けてみる。
「キーくんは彼女の前で、ベルトを取るような何らかの行為をした! そして彼女のところにベルトを忘れていった! つまり──2人は、あつーいあつーい恋愛の真っ最中なんだよっ!」
「……理子はただの馬鹿かと思ってたけど、ちょっと見直した」
「おい、ちょっと待て彩斗。納得すんなっ!」
果たしてその事実は虚偽か真実か、それはキンジ本人から聞き出せばいいだけの話だけれど──今回の理子の推理は、妙に筋が通っている。少なくとも、馬鹿理論の継ぎ接ぎではなかった。
抗議の声を上げるキンジを無視して、理子は軽快に笑みを零す。
「でしょでしょ! だよねぇー。あっくんもそう思うかぁ」
「理子もいい加減にしろっ! 事実無根だ!」
「えー、でも皆そう思ってるよ? そうだ
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