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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
物騒な自己紹介
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ツインテール。下手すれば小学生にも見間違えてしまうほどに幼気な、その少女──。
「強襲科の神崎・H・アリアちゃんでーす!」
やっぱり、どうにも見ない顔だと思ったよ。転校生だと考えれば実に納得だね。インターンの小学生だと疑ってしまったのは本当に申し訳なかった……。この風貌で同級生なのね……。
「そうかぁー……」と溜息を洩らしたのも束の間に、途端に鈍い物音がした。キンジが椅子から滑り落ちて頭を打ったらしい。
「ちょっ、どうしたの」
「……なんでもない」
「嘘ばっかり」
「絶対何かあったろう」と懐疑心を抱きながら──壇上に立っているアリアへと視線を向ける。そのアリアは、キンジを睥睨するように眼光炯炯と見据えていた。目の敵にしているようだ。
……そういえば、彼女はキンジに強猥されたと糾弾していたね。キンジの体質的なものからして俄に信じ難いけれども、彼の反応から見るに、その事実に近しいことはあったのかもしれない。
「それでも、まさかねぇ……」
呟いた声に気が付いたのか、それとも先程から向けていた視線に気が付いたのか──自分と目が合ったアリアは、キンジにも向けていたその赤紫色の瞳でこちらを睨み付けてきた。
そうして、その面持ちが自分の見間違いだったのかと錯覚してしまうほどの変貌ぶりを、彼女は見せてくれた。すぐさま端整な元の調子に戻すと、徐に高天原先生の方に顔を向ける。
「先生。アタシはあの男子の隣に座りたい。空席でしょ」
アリアがその華奢な指先で指し示したのは、事もあろうに、この如月彩斗だったらしい。クラス中の視線が集中するのを感じていた。穏和と鋭利とが入り交じった視線を全身に受けている。
「さっきまでドンパチやってた人間に言うことではないだろう」──と零そうものなら、余計に話が面倒臭くなるものだから、何とか胸の内に押し留めておこう。そう決意した。
「まぁ、先生は良いけど……神崎さん、問題は如月君が了承してくれるかだよ? 確かにあそこは空席だけど──まぁ、空席とはいっても今日はお休みの連絡が入ってて……」
先生がアリアに話しているにも関わらず、それを無視して誰かが興奮しているらしく椅子から立ち上がった。机に手を着いたのか、軽快な音がこの教室中に響き渡る。クラス中が注目する中、例によって自分もその聞き馴染みのある声の主を視界に入れた。
「よ、良かったな彩斗っ! ようやく春が来たみたいだぞ!!」
「……誤解もいいとこだね、武藤や」
屈託のない笑みを隠すこともせず浮かべている彼は、武藤剛気という。体格も良く、一見して強襲科の人間と思われそうだけれど──あぁ見えて車輌科の優等生Aランクであり、特技は乗り物と名の付くものなら何で
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