第五十一話 お餅つきその十八
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「よく言われます」
「実際にそうだと思うわ」
「駄目ですかね、お調子者は」
「どうかしら」
そう言われると返事に困りました、あと阿波野君は男の子でしかも背が高いせいか御飯をよくおかわりしていて今三杯目です。
「それは」
「悪くないですか」
「一概に悪いとはね」
お調子者であることはです、私はそう思います。
「言えないでしょ」
「じゃあいいですか」
「だから一概にはよ」
こう阿波野君に答えました。
「言えないわよ」
「そうなんですね」
「調子に乗って失敗したり失言するから」
それで誰かを傷付けてしまうからです。
「失言って言えばこの前ね」
「この前?」
「長池先輩に言ったことよ」
このことは忘れられないです、あの時怒ろうかって思った位ですから。
「ああしたことは絶対に言わないの」
「駄目でしたか」
「そうよ、先輩だしね」
このことも気になりましたが。
「誰にもあんなこと言ったら駄目でしょ」
「だってあの人自分でお話してましたよ」
「ご自身が何をしたか」
「それ聞いたら酷いですから」
だからとです、阿波野君はすぐに答えました。
「だから言ったんです」
「人の心の古傷抉る様な真似はしないの」
「しますよ、僕」
平気な顔での返事でした。
「反省して済むかって思いますから」
「だからっていってもね」
「反省するなら最初からしなかったらいいんですよ」
阿波野君はいつもと違って厳しい口調でした、こうしたお顔になるこの子も珍しいです。
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