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ある晴れた日に
318部分:その日からその十四
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その日からその十四

「私達に」
「まさか」
「それはないだろ」
「有り得ると思うよ」
 しかし加山はその可能性を否定しなかった。
「だってここまで騒いでるんだから、ここで」
「うっ、確かに」
「そういえば」
 皆言われてやっと気付くのだった。かなり迂闊である。
「こうして騒いでるしね」
「そうよね」
「刑事さんにも注意されたし」
「そういうの考えたら」
「けれどこっち見ていないわよ」
 茜はじっと二人を見ながら皆に告げた。
「ずっとね」
「じゃあ安心していいかな」
「とりあえずはそうかな」
「よかったよかった」
 まずはそのことに安心する。しかし全て安心してはいなかった。
「まあそれはそうとして」
「もうすぐ駅だぜ」
 皆次に話すのはこのことだった。間も無くその遊園地前の駅なのである。
「降りようぜ、二人に気付かれないようにな」
「そうね。じゃあ用心して」
「こっそりと」
 二人の様子を見ながらそっと電車を降りる。そうしてそのうえで駅を出る。駅を出るともうそこが遊園地だった。みらびやかで華やかな施設が数多く見える。
「さて、二人は何処に行くかな」
「とりあえずお化け屋敷じゃないの?」
 皆二人が遊園地の入り口に入っていくのを見ながら言葉を交えさせる。遊園地の入り口は幾つもの門から成っていた。白く塗られていて左右にはこの遊園地のマスコットキャラであるバンビに似た鹿達がにこりと笑っていた。しかし皆その鹿を見てもあまり喜ばなかった。
「奈良の鹿にそっくりだな」
「そうね」
 顔を顰めさせて言い合うのだった。
「何かそれ考えたらこのマスコットってねえ」
「あまりよくないわね」
「ハッピーちゃんだったっけ」
「鹿十郎じゃなかったか?」
 実はその名前は皆よく知らないのであった。
「奈良行ったことない人間にとっては可愛いけれど」
「奈良に行った後だとな」
「そうよね」
 皆鹿が好きではなかった。何故なら奈良の鹿は極めて悪質であり少しからかったりすると隙を見て仕返しをしてくるからだ。なお何をしなくても雑誌や弁当を強奪してきたりもする。
「あんな性格の悪い生き物いないから」
「そんなのがマスコットなんて」
 とにかく鹿については皆眉を顰めさせていた。そんな話をしながら遊園地の中に入る。中に入ると一層華やかでみらびやかなものであった。
 皆そのみらびやかな中を見ながら二人も見る。二人はまずはコーヒーカップに向かっていた。
「あっちか」
「最初はそうみたいね」
「じゃあとりあえず私達は」
 皆そのコーヒーカップの周りを見ながらある場所に気付いた。そこはメリーゴーランドだった。白いおもちゃの馬達が優雅に回っている。
「あそこに入る?」
「そうだよな。あそこからだとよく見
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