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昆明の警官達 
第一章
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               昆明の警官達
 白緑麗と簫紅美の二人は緑麗の神託によって今は中国雲南省昆明に来ていた、その昆明においてだった。
 警官達がどうもピリピリとしていた、緑麗はその彼等を見てどうかという顔になって紅美に対して言った。
「ここの警察は元々な」
「ああ、地元の侠客達をやな」
「そや、自警団やってた連中をな」
 その彼等をというのだ。
「警官にしてな」
「そうして治安にあたらせてたんやな」
「最初はそうしたわ」
 緑麗はかつて雲南の棟梁で今はこの地域を主に治める者として紅美に答えた。
「それで後々正式にな」
「試験やってやな」
「採用していったわ」
「そうやったんやな」
「けれど最初はな」
「侠客達をか」
「そうしてたんや」
 警察に仕立てていたというのだ。
「ほんまにな」
「そやったか、まあそれはな」
「多くの組織でやったな」
「紅美ちゃんもやろ」
「ああ、最初は警察言うてもな」
 どうしてもというのだ。
「あまりな」
「人がおらんかったからな」
「公権力の確立からはじめなあかんかったし」
「役に立ちそうなモンを使わなあかんかったからな」
「自警団を警察にして」
 公のそれにというのだ。
「治安にあたらせてたわ」
「そやったな」
 二人でこんなことも話した、そしてだった。 
 緑麗は街中で緊張した顔の警官達を見てまた言った。
「しかし何があったんや」
「街に何か起こってるんか?」
「ちょっと調べてみるか」
「市長さんか署長さんに聞いてな」
 警察署長、この昆明のそれの立場の者にもと話してだ、そしてだった。
 緑麗は紅美と共に昆明市長それにだった。
 署長の李伯車、ワーウルフの壮健な顔立ちの中年の男である彼に話を聞くと署長は二人に警察署の署長室で困った顔で話した。
「実は今この街のヤクザ者達が抗争の用意をしていると」
「情報が入ってきてるんか」
「はい、かく言う私もです」
「ああ、あんたを署長にしたのは私や」
 緑麗は署長に笑って話した。
「自警団、侠客の元締めやったあんたをな」
「そうです、ですが」
「生粋のヤクザ屋さん同士がか」
「はい、この昆明のシマを巡って」
「全面抗争にか」
「入ろうとしていまして」
「そのことを聞いてやな」
「はい」
 それでというのだ。
「我々は今緊張しています」
「抗争が起こったらな」
「多くの犠牲者が出て一般市民も巻き込まれます」
「特に術やらモンスターやら出してきたらな」
「実際にそうした者達もいますから」
 だからだと言うのだった。
「お互いの組の中には」
「メイジや獣使いもやな」
「はい、ですから」
 それでと言うのだった。
「ここはです」
「何としてもやな」
「抗争
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