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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
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『???システム起動。三十秒後、地下牢獄ハ崩壊シマス。繰リ返シマス。地下牢獄ハ崩壊シマス。構成員ハ直チニ地下牢獄ヲ出テ下サイ』
地下牢獄内に無機質な声の放送が響き渡った。
なんだこれ? そう問う前に、琴葉と響、グレースの顔が、一気に青ざめる。放送を聞いて焦って居るのだろうか。
「……嘘、ですよね?」
「って、嘘じゃないっぽいんだけど。敵さんに仁が倒されちゃったっぽいね」
「んな事言ってる場合か! 如何するんだよ、これ」
やっぱり。マフィアの構成員であるこの三人が慌てる程なんだから、あの放送は本物。で、三十秒後にマジでここは崩壊する。
……やばくね? 生き埋めって事でしょ?
「何があった?」シンが問う。
「説明するのは後です! 兎に角、此処を出ないと……??」
『ステップ1。全テノ扉ヲ閉鎖シマシタ。取リ残サレタ構成員ハ、ステップ2開始前二転移シテクダサイ』
二回目の放送。“ステップ1”と言った辺り、段階的に壊されて行くのか。それとも、段々と出来る事が制限されて行くのか。
ただ、どちらにせよ此処から出なければ死ぬ。出ても死ぬかもしれないけど。
「六人とも、来て下さい。取り敢えず、貴方達だけでも助ける。六人程度なら転移魔法で……」
「琴葉は如何すんだよ!」
「如何にかします??だから取り敢えず寄って下さい?? 私が転移する場合、私だけしか転移出来ないですから」
魔法は、自分に干渉するのに適した魔法と、他人に干渉するのに適した魔法がある。自分に干渉するのに適した魔法が他人に使えない事は無いが、消費魔力が大きくなる。どれだけ頑張ったとしても、差は小さくなっても、無くなる事はない。
転移魔法は他人に干渉するのに適した魔法。だから、琴葉は自分以外の六人を一気に転移させられても、自分を転移させようとすると、自分だけしか転移させられない。
『貴様等は、苦渋の決断を強いられることになるだろう。今の内に、自分の命か、黒華の命、どちらを救うか、決めておく事だな』
神白さんの言葉が蘇る。
この事だったのか?
「琴葉ちゃん、分かってんの?? 此処で死んだら蘇生は出来ないんだ??」
「でも、一人の命より六人の命の方が大切です?? 私なんて如何でも良いんです! ステップ2が始まる前に早くして下さい??」
グレースと琴葉が睨み合い、悲しそうな表情をしながら叫ぶ。
『私なんて如何でも良いんです??』
違う、如何でも良くない。
なんで、なんでなんで。
「なんで琴葉は自己犠牲ばっかり選ぶんだよ????」
気付いたら俺は叫んでいた。
よく分からないけど、新年魔法大
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