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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第49話 選択
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会の時、俺の近くで爆発が起きた。体が動かせなくなって、意識が朦朧とした。
だけど、聞いた。

『私と一緒に、もう一度マフィアに戻ってくるって言うのなら、今後一切此の第一魔法刑務所には手出ししないと誓おう。此の大会に関係している、マフィアの人間が殺した人間も蘇らせてあげよう。如何だい? 刑務所側に多く利益があ……』
『分かった……分かりました。わたしを、連れて行って……これ以上、だれも殺さないで……』

あれはマフィア首領と琴葉の声だった。

琴葉は第一魔法刑務所を守る為に、第一魔法刑務所を裏切って、マフィアに居る。
沢山の人を助ける為に、自分を犠牲にして。

「え……?」
「とにかく、絶対琴葉が助かれよ?? 俺達は十分にお前に助けて貰ったよ??」

自分の手を見る。
ガラスで切って、血が流れていた場所。

「これだって、お前が治療してくれなきゃまだ血は止まってないし、細菌入りまくっていつか死んでたかもしれない。それを琴葉は助けてくれたんだ。窓ガラスを勝手に割って、勝手に部屋に侵入して、勝手に怪我した俺を」


あと何秒で、三十秒経ってしまうのだろうか。

あと何秒で、琴葉を助けなければいけないのか。

あと何秒で、琴葉と別れなければいけないのか。

あと何秒で、俺は死ぬのか。


全部、分からない。


「だから、琴葉。お前が助かって」


琴葉の肩を押して、俺達と距離を取らせる。
直後、琴葉の体が青白い光に包まれ、フッと消えていった。


“魔法の強制発動”。漸く上手くいった。


『ステップ2。地下牢獄内ノ魔力ヲ全テ消去シマシタ。取リ残サレタ構成員ハ、ステップ3開始前二体内魔力デ転移シテください』


「これで良かったのか? お前ら、助からなくて」

振り返って、五人を見る。
俺が勝手にやってしまった感じがあったから。

「大丈夫だ。ありがとう、レン」シンが言う。
「琴葉ちゃんが助かってよかったぁ!」ハクが言う。
「琴葉が無事ならそれで良いんじゃないかな? よく頑張ったね」要が言う。


『ステップ3。地下牢獄内ノ生物ノ体内魔力ヲ全テ消去シマシタ。構成員ハ地下牢獄二近付カナイデクダサイ』


「マフィア幹部として、死はいつも隣にあるもの。今更、怖いとは思わないよ。此れは正しい選択だ」グレースが言う。
「琴葉を助けてくれて有難うな。俺はメイドだからよ。御主人様の為なら何回でも死ねる」響が言う。


『ステップ4。地下牢獄ト地上ヲ分離シマシタ。地下牢獄二近付カナイデクダサイ』


「……あと崩壊まで何秒くらい?」
「十秒!」
「じゃ
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