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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
誰が為の世界
災厄の前兆
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ているというのは、とても喜ばしいことだった。

2人の会話を聞きながら、或いは箸を進めながら、ふとテレビをつけてみる。ニュース番組の司会とコメンテーターが議題として発してきた内容は、先日に起きた『武偵殺し』に関してのものだった。現在進行形で、その説明が行われている。


『そもそも武偵殺しというのはですね、その名前からも分かる通り、武偵をターゲットにするんです。民間人を狙わず、武偵を。言わば、武偵に限られた無差別事件なんですね。手口も極めて悪質です。まずは所有している車両などに爆弾を仕掛けて自由を拘束した後に、次に短機関銃付きのラジコンヘリで追い回し、最終的には海に突き落とすというんです。どうです、悪質でしょう。……ね、そうでしょう。うんうん。といっても、まぁ、既に逮捕は行われたので──』


自称武偵庁の人間だというコメンテーターは、言葉の端々に畏怖と憤慨とを滲ませている。被害者に対する同情も見せていた。そして最後には──『動機も手口も悪辣で極めて許し難い。ともかくは法に則って処置を』と発言して、CMに移行する。

武偵庁の声明は、世に居る武偵の代表として考えて良い。武偵庁の怒りは、世の武偵の怒りにも、通ずるのだ。現に武偵校でも『武偵殺しの模倣犯には気を付けろ』との注意喚起が行われているのだから、見過ごせる内容ではない。
犯人が逮捕されてもなお、模倣犯を警戒しなければならなかった。先行きが不安だねぇ……と零したのを、2人が聞いていたかは分からない。ただ、朝食を終えて立ち上がった自分と、まだ箸を進めているキンジの両人へと、白雪は注意を投げかけてきた。


「あの……あっくんもキンちゃんも、気を付けてね。武偵殺しの模倣犯。何かあったら困るから、一応忠告はしておきます」
「うん、ありがとう。気を付けてはおくね」


自分とキンジを交互に見渡して、白雪は物憂げに告げた。とはいえ……彼女の方が心配だ。何しろ女子なのだし、武偵殺しの性別がどうであろうと狙われる可能性は十二分にある。
動機が無差別というのも意図が読めないけれども──どちらにせよそれを分かっていて、なお心配をしてくれるあたり、本当に星伽白雪という子の性格に敬服させられるね。


「白雪も気を付けて。……動機が無差別とはいえ、女子だから。何かあったら、すぐキンジに頼った方がいい」


それだけ言い終えると、リビングを出て自室に向かう。クローゼットから取り出した制服を羽織り、愛銃のベレッタM93Rと父の形見のデザートイーグルを、予備弾倉があるかも確認してから帯銃する。マニアゴナイフも内ポケットに仕舞った。そして、大刀契──《緋想》──を背に隠匿する。

そんなこんなで身なりを整えたり色々していたら、準備に数十分を要し、登校まで残り1分ほどという時
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