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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第136話:Red
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」
「………レッド…お前って奴は…本当の正真正銘の大馬鹿野郎だ…!!」
レッドの視線がルナに向けられる。
その表情はとても優しく、ルナはアクセルを捕まえながらも唇を噛み締めた。
「ふっ…大馬鹿野郎か…確かにな…ルナ…アクセルを…頼んだ…悪いな、最後の最後でお前に迷惑かけちまってよ」
穏やかな笑みを浮かべながらアクセル達とレッドの間を巨大な破片が隔てた。
もう限界なのを理解したルナはアクセルを無理矢理引っ張って脱出した。
「レッドオォォォォォォ!!!!」
アクセルの絶叫は天井に吸い込まれ、暗闇の中に消えていった。
何とか脱出に成功してアクセルを除いた者達は安堵の息を吐いたが、その後は静寂が訪れ、辺りは無惨な有様であった。
これから瓦礫を掘り起こしても多分、何も出ないだろう。
出るとしたらレッドを思わせる残骸だけで、膝を着くアクセルを悲しげに見つめるルインの肩に手を置き、エックスはゼロに視線を遣る。
視線を向けたゼロもまた、どこか迷っているような顔をしている。
間違いなくこの先に居るであろう…この戦いの元凶となった敵。
別に根拠はないが、長年の奴との戦いの経験と勘がそれを告げていた。
しかし、最も大切な存在を親のように慕っていたレッドを目の前で失った少年の心は、言葉では言い表せないほど深く傷付いているはずだ。
今の彼に、声をかけるということ自体憚られた。
「レッド…」
アクセルは悲しかった。
胸の奥から強い激情が胸を焦がす。
何故こんなことになってしまったのか?
何故死んでしまったのか?
いくつもの“何故”が浮かんでは消え、悲しみで胸が焼けるように熱いのに、声は出せず、叫びたいことが喉に突っ掛かっている。
泣けば楽になれるかもしれないが、しかし戦士のプライドがそれを許さない。
ゼロはゆっくりと口を開いてアクセルに声をかけた。
「アクセル…俺には慰めの言葉すら見つからん…だが、俺達はここで立ち止まるわけにはいかないんだ」
その言葉にルナは激昂してゼロに食いかかる。
「お前…っ、その言い方はないだろうがっ!!アクセルはレッドを…アクセルは目の前で育ての親だった人を失ったんだぞ!!」
次にルナは俯いているエックスとルインを向く。
「今こんな状況で何が出来る!?どう考えたって一時撤退だろうが!!」
「………」
「何とか言えよおい!!」
叫ぶルナにエックスが彼女の肩に手を置いた。
「…ルナ、大切な人を目の前で失うというのは身を斬られる程の苦しみだ…。それくらいは、俺にも分かるよ。」
何度も仲間や大切な人を失う経験をしたエックスの言葉の重さにルナは思わず閉口した。
「
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