第五十一話 お餅つきその十五
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「それでそんなのなんだ、千里ちゃんは」
「そんなのっていいますと」
「よくわかったよ、じゃあ婦人会や女子青年の人達に聞いてね」
「付き合うことで」
「それでアドバイス貰ってね」
「そうすべきですか」
「うん、そうしてね」
是非にというのです。
「そうしてね」
「いやあ、そうじゃないかって思ってましたけど」
何故かここでほっとした笑顔になって言う阿波野君でした。
「よかったです」
「よかったって何がよ」
「先輩が誰ともお付き合いしたことなくて」
「何でそれが阿波野君にとっていいのよ」
「いや、僕もですから」
だからだというのです。
「お互いまっさらな者同士ってことで」
「何がまっさらなの?」
「だから言うまでもないでしょ」
「私達だってわかるのに」
妹達がまたしても左右から言ってきました。
「お姉ちゃんどれだけ疎いのよ」
「昔から変なところで鈍感なのよね」
「鈍感って」
何が鈍感かわからないです。
「私そんなに鈍感?」
「あることについてはね」
「凄く鈍感じゃない」
「今実際にそうだし」
「どうしようもない位によ」
「これは阿波野君苦労しそうだね」
大教会長さんの弟さんは笑って阿波野君に言いました。
「どんどん積極的にいかないとね」
「いっていいですか?」
「うん、ただしセクハラは駄目だよ」
「はい、僕も全力でいきます」
阿波野君は大教会長さんの弟さんに満面の笑顔で答えました。
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