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ある晴れた日に
304部分:空と海その三十七
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。誤解はしないでね」
「ああ、わかったよ」
 未晴の言葉に対して頷いてそのうえでまた述べた。
「人は見掛けによらないんだな」
「内面も幾つもあるのよ」
 人の顔は一つではない。そういうことだ。
「だから。それはね」
「わかったよ」
 その未晴の言葉に対して頷いたのだった。
「まだ信じられないけれどな」
「そのうちわかってもらえるかしら。それでね」
 未晴はここまで話していいと判断して話を変えてきた。
「今度だけれど」
「今度は二人で何処かに行こうか」
「そうね。それがいいわね」
 正道の提案に静かに微笑んでみせての言葉だった。
「何処がいいかしら」
「そうだよな。遊園地でも行くか?」
 彼はふとそこに行くことを考えたのだった。
「あそこなら結構遊べるしな」
「遊園地ね」
「ああ。テーマパーク八条」
 言うまでもなく八条グループが経営しているテーマパークである。日本でも有数の巨大で色々な施設のある遊園地である。
「あそこならどうだ?」
「いいわね」
 テーマパーク八条と聞いて微笑む未晴だった。
「そういえば私最近あの遊園地行ってないし」
「俺も小学校の卒業記念に行ったっきりだったな」
「私は中学の卒業と高校合格を兼ねて」
 その時に行ったのだという。
「それで行ったんだけれど」
「またあのメンバーでかよ」
「まあね」
 それには少し照れ臭そうになる。
「六人でだけれど」
「やっぱりその面子か」
「そうなの。その時以来ね」
 そのことを思い出しながら話すのだった。
「行くとなったら」
「そうか。じゃあ行くか」
「ええ。二人でね」
 こうして話は決まった。話は決まってそのうえで今日はこれから公演で歌うのだった。正道はケースからギターを出してそのうえで演奏をはじめようとしていた。
「じゃあバラードな」
「ええ、御願い」
 正道と未晴は笑顔でベンチに並んで座り音楽を楽しんだ。そうして今は二人の時間を過ごすのだった。二人静かに並んで夕闇の中で。


空と海   完


               2009・5・7

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