第一章
[2]次話
安く食べて飲んで
沢井律夫はこの時金がなかった、働いているので暮らす分は暮らせるが遊びに使う金がなかったのだ。
財布を見れば千円しかない、今夜はこれでしこたま飲んで食いたかった。家に帰ってそれからそうしたかった。
だが千円だ、千円でしこたま酔えるのか。食うだけしか出来ないのか。とりあえず食う分は夕食があった。しかし問題はその後だった。
夕食の後に酒のあてにするものだ、今日家に帰って妻が出してくれる料理は親子丼だ。酒のあてには人それぞれだが沢井にとってはどうかというものだった。
だからこそ彼は今悩んでいた、どうしても飲みたいが夕食は肴にはなり得ない。そして酒を買うにもだ。
金もない、軍資金は千円だ。この絶望的な状況が今沢井を苦しめていた。そして悩んでいた。だがその中でだった。
沢井は仕事帰りに家に帰る途中にふらりとコンビニに寄った。そこで駄目元という感じで酒と肴を探した。
千円、これだけで果たして満足出来るだけ今日はしこたま飲んで食べたかったがそれが出来るのか。無理である可能性が高いとも思いながらもコンビニの中を歩いてだった。
肴になりそうなものを探した、するとだった。
彼はまずは袋のインスタントラーメンを発見した、それを二袋手に取った。彼の好きな塩ラーメンである。
そして酒のコーナーで缶の酒、五〇〇ミリリットルのそれからアルコール度九パーセントのものを見付けた。一本二百円もしない。
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